国内の歴代最高齢 117歳の田中カ子さん 記憶に焼きつく祈る姿

「敬老の日」を前にした19日、世界最高齢に認定されている福岡市東区の田中カ子(たなか・かね)さんが、117歳261日となり、国内の歴代最高齢の記録に並んだ。カ子さんはクリスチャンで、日本バプテスト連盟・西戸崎キリスト教会(福岡市東区)会員。

左から、田中力子さん、堺トラ枝さん、城俊幸牧師、君嶋五月さん。(写真提供:西戸崎キリスト教会)

カ子さんは、1903年1月2日、福岡県和白村(現・福岡市東区)の農家に9人きょうだいの7番目として生まれた。19歳で餅屋を営む1つ上のいとこ、英男さんと結婚。37年に日中戦争が始まり、英男さんが召集され、その後帰還するも、太平洋戦争へと拡大する中、今度は長男が朝鮮・満州に出征してしまう。戦時中は、福岡の軍基地にうどん店を出し、次男と養女に加え、戦死した親戚の子3人を育てた。過労がたたりパラチフスを患ったが、必死に働いたという。

戦後、53年に英男さんが洗礼を受け、61年にカ子さんが西戸崎キリスト教会で洗礼を受けた。58歳の時だ。93年に英男さんが召天し、103歳まで教会の礼拝に出席していたが、それ以降は半年に1度の割合で、入居する有料老人ホーム「グッドタイムホーム1・海の中道」で出張礼拝を行っている。

西戸崎キリスト教会の城俊幸(たち・としゆき)牧師はカ子さんについて次のように話す。

103歳で大腸がんの手術を受けるなど大病をされましたが回復し、ホームでは退屈を嫌い、聖書を読んだり、オセロゲームをしたりしてお元気に過ごされています。出張礼拝では、晩餐式を行い、賛美歌を歌い、共に祈るのですが、記憶に焼きついているのは、夕暮れの窓辺に佇(たたず)み、一人空を見上げて祈る力子さんの姿です。今は新型コロナウイルス感染防止で、ホームが立ち入り禁止となっているため、出張礼拝ができない状態です。1日も早く再開できればと思っています」

 






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