韓国の主要プロテスタント教団の一つ、基督教大韓監理会(韓国メソジスト教会、金正錫〈キム・ジョンソク〉監督会長)の第37回総会が10月29、30の両日、ソウル市江南区の光林教会で開かれ、韓国キリスト教教会協議会(NCCK)と世界教会協議会(WCC)からの脱退をめぐって激しい議論が交わされた。脱退を求める約240人の総会代議員が提案を提出したものの、審査委員会がこれを退け、本会議での採決は行われなかった。教団は両組織への加盟を維持し、内部からの改革を目指す従来の方針を継続することになった。韓国メディア「ザ・ミッション」「ニュース・アンド・ジョイ」などが報じた。
脱退を求めたのは、教団内の保守的な牧師や信徒らで構成する「NCCK・WCC脱退推進汎監理教人連合」。総会初日の29日、会場で署名活動を行い、約1100人の代議員のうち約240人の賛同を得て、脱退提案を提出した。
推進派は、NCCKとWCCが宗教多元主義や同性愛を容認する立場を取っていると批判。こうした神学的・倫理的立場が、教団の聖書理解や信仰告白と相いれないと主張した。
これに対し、総会の公薦・建議案審査委員会は30日、同様の問題は2024年の第36回総会ですでに審議されているとして、提案を退けた。前回総会では、NCCKから脱退するのではなく、教団から福音主義的な立場の代表者を派遣し、組織内部から変革を促す方針が採択されていた。
脱退推進派の代議員らは、前回総会から2年が経過しても両組織の立場に変化が見られないと指摘。多数の代議員が署名した提案を審査委員会の判断だけで退けるのは不適切だとして、本会議での討論と採決を求めた。
一方、加盟継続を支持する代議員らは、エキュメニカル(教会一致)運動への参加を通じて教団の立場を反映させることが重要だと主張。前回総会の決定に基づく代表者の派遣や対話が十分に行われていない段階で、脱退を急ぐべきではないとの意見を示した。
「CBSノーカットニュース」によると、NCCKへの代表派遣を打診された代議員の一人は、同組織に参加するだけで同性愛の擁護者とみなされることを懸念し、参加を断念したと証言。脱退をめぐる対立が、教団の対外的な活動にも影響している実態が浮かび上がった。
議長を務めた金正錫監督会長は、前回総会で十分な研究と議論を経て方針を決めたことを強調。関係団体との意思疎通をさらに進める考えを示し、審査委員会の報告が了承された。脱退の是非を問う採決は行われず、従来の加盟継続方針が維持された。
韓国のプロテスタント教会では、NCCKやWCCへの参加をめぐり、エキュメニカル運動を重視する立場と、神学的・倫理的な問題を理由に距離を置こうとする立場の対立が続いている。今回の総会でも、脱退の是非に加え、教団内の意思決定のあり方や、エキュメニカル運動への関与をどのように進めるかが問われる結果となった。
