教皇庁広報省に初の女性信徒長官 メディア経験者を起用 改革の行方に注目

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教皇レオ14世が6月に任命したマリア・モンセラット・アルバラード氏(39)が11月1日、教皇庁広報省長官に就任した。修道者ではない女性信徒が教皇庁の省庁長官を務めるのは初めて。米国のカトリック系メディアネットワーク「EWTNニュース」の社長兼最高執行責任者を務めた経験を持ち、教皇庁の広報体制の改革を引き継ぐ。「バチカンニュース」や米カトリック系通信社「OSVニュース」などが報じた。

アルバラード氏はメキシコ市生まれ。米フロリダ国際大学、ジョージ・ワシントン大学で学び、2009年から2023年まで宗教の自由を擁護する米国の法律団体「ベケット宗教自由基金」で要職を歴任した。2023年からは「EWTNニュース」の社長兼最高執行責任者として、テレビ、ラジオ、新聞、デジタルメディア、SNSなど、7言語にわたる国際的な報道事業を統括してきた。

教皇庁広報省は、「バチカンニュース」「バチカン放送」、日刊紙「オッセルバトーレ・ロマーノ」、教皇庁報道室、出版事業などを統括する組織。フランシスコ前教皇が2015年に進めた広報機構改革によって創設され、18年に現在の名称となった。従来は別々に運営されていた報道・出版・放送部門を統合し、デジタル時代に対応する情報発信体制の整備を進めてきた。

前任のパオロ・ルッフィーニ氏(70)は18年、教皇庁の省庁を率いる初の一般信徒として長官に就任。8年間にわたり広報機構の統合と改革を担った。10月30日に行われた送別の集まりでは、アルバラード氏も職員らを前に謝意を表明。教皇庁の広報活動には多様な言語や文化、召命を持つ人々が参加していることを強調した。

今回の人事は、教皇庁の意思決定における女性の参画という点でも注目される。フランシスコ前教皇は、教皇庁の要職に女性を登用する改革を進めてきた。2025年にはシモーナ・ブランビッラ修道女が奉献・使徒的生活会省の長官に就任し、女性が教皇庁の省庁トップを務める道を開いた。アルバラード氏の就任は、こうした流れを修道者以外の女性信徒にも広げるものとなる。

アルバラード氏は就任を前に、「EWTNニュース」の番組で、デジタルメディアと従来型メディアが融合する時代に教皇庁の広報を担う意義について語った。自らの方針を一方的に押し付けるのではなく、教皇や各部門の意向を聞き取り、教会全体に奉仕する姿勢を強調している。

その一方、出身母体であるEWTNは、米国の保守的なカトリック信徒に強い支持基盤を持ち、フランシスコ前教皇の教会改革を批判的に報じることもあった。ロイター通信は6月の任命発表時、同ネットワークと前教皇との緊張関係にも言及した。アルバラード氏自身は、自らの政治的立場よりもカトリック信仰と教会への奉仕を優先する考えを示している。

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