昼夜を問わない電話攻勢にどう対処? 山中正雄 【教会では聞けない?ぶっちゃけQ&A】

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Q.最近、教会に来るようになった方の相談に乗っていますが、昼夜を問わずひんぱんに電話やメールが来るようになりました。体力的にも精神的にも無理が生じて困っています。(40代・牧師)

このごろ、深刻な悩みをもって、教会を訪れる方が多くなりました。時には電話やメールで、頻回に悩みを訴え続ける人も現れます。それは、あまりに不安・恐れが強く、相手を気遣う余裕がなくなったためでしょう。不安が生じる原因は多種多様で、「心の病」によるケースもよくあります。そこで、いかに安心感をもたらすのか、冷静に考えなければなりません。

まず第一のポイントは相談の中味です。もし、内容が日常的な事柄、習慣などに関わることであれば、自らの体力と気力の限界内で(回数・時間の調整など)工夫をされたらいかがでしょうか。すべてに、つきあう必要はありません。

ただし「いのち」に関わるケースは別です。しっかりと信頼関係を作り、精神科医・カウンセラーなどとも協力しながら、自殺を防止することが求められます。

以前、「今、薬を大量に飲んだ!」という電話を受けたことがあります。電話を切らないよう必死に話しかけ、相手の詳しい情報を聞き取り、救急車を呼びよせて命を救うことができました。

第二は悩みを聞く姿勢です。深い悩みをもつ人々を援助する際の原則は、N(忍耐)・T(知識)・T(チームワーク)です。「心の病」について学び、それぞれの力量や相性も考慮した上で、相手のニードに答えることが必要でしょう。牧会者が燃え尽きないように、注意しながら対応できる能力を何とか高めたいものです。

「だから、あなたがたは蛇のように賢く、鳩のように無垢でありなさい」(マタイによる福音書10章16節)

やまなか・まさお 精神科医、日本アライアンス教団千葉キリスト教会牧師。 1951 年高知県生まれ。高知高専、広島大学医学部、日本アライアンス神学校卒。日本アライアンス教団関東教区長。マザーズ・カウンセリング・セン ター(MCC)運営委員長。著書に『こころの診療室』(日本キリスト教団出版局)、『うつ病とそのケア』(キリスト新聞社)など。

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