神はすべて知っているのに祈る必要ある? 山中正雄 【教会では聞けない?ぶっちゃけQ&A】

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Q.神さまは全能ですべてを知っておられるのに、なぜ改めて祈る必要があるのですか?(10代・男性)

日常生活の中で、神さまにどのような祈りをささげるべきか。ご質問の背景には、日々の祈りについて真剣に考え直したいという強い願いあるように感じます。

主イエスも山上の説教において、祈る時は「異邦人のようにくどくどと述べてはならない」(マタイ6:7)と教えられました。

しかし、祈りそのものを放棄せよ、と命じられたのではありませんね。むしろ「主の祈り」を通して、自己の要求ばかり突きつける姿勢を改めて、まず神さまに栄光をお返しすること、次に自らのニーズが満たされるよう率直に祈ることを教えられたわけです。

私たち一人ひとりに神さまは何を願っておられるのか。み心とは……。その問いかけが「主の祈り」の前半にあります。事実、祈りは一方的訴えではなく、互いに気持ちが通じる信頼関係の表現であり、親しい対話なのです。

たとえば、結婚生活が長くなり理解が深まったからといって、交わす言葉を惜しみ、互いに要求し合うだけになると、健全な関係から外れてしまうでしょう。些細なことも話題にして話し合い、気持ちをわかち合うことがとても重要だからです。

神さまは「天の父」であり、私たちが「願う前から」すべての必要をご存じである。だからこそ、何事も心おきなく、大胆に神さまを信頼して求めなさい。必ず与えられる、とも勧められました(同7:7)。「主の祈り」後半は、私たちの必要が満たされる約束です。

み言葉を聴き、祈りを捧げることは信仰者の特権、慰めと希望の源泉です。真実な神さまと向き合う喜びが日々、与えられるよう祈っています。

やまなか・まさお 精神科医、日本アライアンス教団千葉キリスト教会牧師。 1951 年高知県生まれ。高知高専、広島大学医学部、日本アライアンス神学校卒。日本アライアンス教団関東教区長。マザーズ・カウンセリング・セン ター(MCC)運営委員長。著書に『こころの診療室』(日本キリスト教団出版局)、『うつ病とそのケア』(キリスト新聞社)など。

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