DVの疑いのある家庭にどう介入? 西岡まり子 【教会では聞けない?ぶっちゃけQ&A】

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Q.DV(ドメスティック・バイオレンス)の疑いがある教会員の家庭に、どのように介入すべきでしょうか。(50代・女性)

「法は家庭に入らず」という明治憲法のあり方は、家庭を無法地帯とし、その名残が「教会・牧師は家庭に入らず」という空気としてキリスト教会にも見られます。

2001年にDV防止法が制定され、夫婦間であっても暴力は犯罪であることが明確になりました。DVとは、親密な関係にあるパートナーに対して繰り返される暴力、あるいは暴力的・高圧的な態度を意味します。それは身体的、経済的、精神的、性的領域と、多岐にわたります。

この問題の深刻さは、被害者自身が「被害を受けている」という自覚を持ちづらい点にあります。長年「お前がダメだから」と言われ続け、そう信じ込んでしまうからです。これは、虐待を受けている子どもが、「自分が悪いからだ」と考えてしまうことと似た心理状態です。

ただ、子どもの虐待は発見者の通報義務はありますが、DVの場合は被害者が大人であることから、本人の被害者としての自覚があって初めて、介入が可能となります。

教会の対応は、まず被害者の話をよく聞き、本人がその暴力の事実を客観的に認識できるよう助けることです。「aware」のサイトに加害行動チェックリストがあります。その上で、地域のDV相談窓口の紹介することです。そこから具体的な対応策(シェルターの紹介や警察への通報)などがなされます。

教会は、裁判官でも、警察でもなく、信仰告白共同体です。悔い改めた罪人同士による介入は、被害者を守るだけではなく、加害者への働きかけも重要です。加害の事実を確認し、習慣化され、人格化されてしまった暴力の傾向性への深い認識を持つことは、真の悔い改めと回復に不可欠です。

無意識に習慣化された自分を変えるためには、加害者プログラムへの参加を強くお勧めします。教会では、加害者も神に愛された人間として変えられることを信じ関わります。その人も幼少期に、罪の下で苦しんできたのかもしれません。イエスのまなざしで見つめたいものです。

にしおか・まりこ 東京聖書学院、タルボット神学校(結婚・家族ミニストリーの修士)卒業。日本ホーリネス教団川越のぞみ教会で夫と共に牧会。結婚カウンセリング 「プリペアー/エンリッチ」の日本推進委員。ファミリー・フォーラム・ジャ パン評議員、臨床牧会研究会・結婚カウンセリング部門担当委員、3人娘の母。

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