2月5日「神の国は、来ているのだ」

わたしが神の霊で悪霊を追い出しているのであれば、神の国はあなたたちのところに来ているのだ。(マタイによる福音書12章28節)

主イエスは悪霊から人間を救い出す神である。現代人は聖書の悪霊物語を神話であると言って、一笑に付すかもしれない。しかし、科学が発達した現代においても、人を不自由にし、絶望や虚無に追いやり、狂気に駆り立てる力は存在する。科学的・医学的な説明ができても、それでは解決しない人間の問題に、聖書は光を当てるのである。

十字架と復活によって罪の贖(あがな)いを成し遂げた主イエスは、今、見えない聖霊の神として働いて、私たちに罪の赦(ゆる)しを語り、神との交わりを持つ人間とする。罪の赦(ゆる)しを受け、神との交わりを持つようになって、私たちは悪霊から解放される。悪霊は人間を神から遠ざけようとする隠れた力である。悪霊は人間の倣慢(ごうまん)に付け込んで異常な行動に駆り立てたり、病気や貧困によって不安になる人間の弱さに付け入って、絶望に追い込む。病気や貧困の原因が人間の罪によるのではない。主イエスは生まれつきの盲人について、「本人が罪を犯したからでも、その両親が犯したからでもない。神の業(わざ)がこの人に現れるためである」と言う(ヨハネ9・3)。神と結ばれるなら、その弱いところに、悪霊ではなく、神の霊が働くのである。

今日の聖句のように、主イエスは今も神の霊によって、私たちを神の国に導くために働いておられる。主イエスに導かれて神の国に入れられ、神を「アッバ父」と呼ぶ神の子らは、信仰、祈り、み言葉という神の武具によって悪霊の攻撃に対抗する者となるのである。「悪魔の策略に対抗して立つことができるように、神の武具を身に着けなさい」(エフェソ6・11) 。

 






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