信仰継承に強制は必要? 白井幸子 【教会では聞けない?ぶっちゃけQ&A】

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Q.信仰を継承する上では多少の強制は必要だと思うのですが、やはり無理強いすべきではありませんか。(30代・女性)

信仰は魂の問題であり、最後のところ神と当人の問題ですから、親がいかに信仰を子に継承したいと願っても強制することはできないように思います。

教会に行くこと、あるいは、聖書を読むことは、強制できるかもしれません。しかし、神を信じることは、強制や努力とは別のことのように思われます。親に反感を抱かせ、神を嫌いにさせることにおいて、信仰の強制ほど注意すべきものはありません。

私の友人であるクリスチャンのご夫婦は、お子さんが誕生した日から(おそらくはそれ以前からでしょうが)毎夜お子さんのために祈り、お子さんが言葉を理解するようになるとその祈りはお子さんを加えて3人の祈りとなり、お子さんが親元を離れると再びご夫婦の祈りとなり、お子さんが30歳になる今も続けられています。

「信仰をもちなさい」「教会に行きなさい」「聖書を読みなさい」という言葉の代わりにこのご夫婦は、30年間、合わせて1万1千回の祈りをもって、お子さんが神を信じ、神の祝福のもとに生きることを祈り続けています。

なぜ、信仰を強制しなければならないのでしょう。幼い子が、自分をかくも深く愛してくれる親の信じる神を、親と同じように信じるようになるのは自然のことです。親の語る一つひとつの言葉、一つひとつの行為が、幼い子に伝えられる神のメッセージとなり、子は親によって神を知ります。

神は正しく、恵み深い神であり、「その独り子をお与えになったほどに、世を愛された」(ヨハネによる福音書3章16節)方であることを、親を通して体験する幼い子に、信仰を強制する必要はないものと考えられます。

しらい・さちこ 青山学院大学文学部を卒業後、フルブライト交換留学生として渡米。アンドヴァー・ニュートン神学校、エール大学神学部卒業。東京いのちの電話主事、国立療養所多磨全生園カウンセラー、東京医科大学付属病院でHIVカウンセリングに従事した後、ルーテル学院大学大学院教授を経て同大名誉教授。臨床心理士、米国UCC教会牧師。

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