ブラックになりたくてブラックになる経営者はいない【聖書からよもやま話378】

主の御名をあがめます。

皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は旧約聖書、マラキ書の3章です。よろしくどうぞ。

マラキ書 3章5節

不正な賃金で雇い人を虐げてやもめやみなしごを苦しめる者、
(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

この箇所で神様は「私はこういう人に対して怒るんだぞ!」というのをリストアップしているのですが、その中にこの「不正な賃金で雇い人を虐げてやもめやみなしごを苦しめる者」というのもあります。あぁ、この時代からブラック企業ってあったんだなー、と思わされます。ブラック企業って現代に特有の問題かと思いきや、そうではないんですね。むしろ現代社会の問題の多くは、聖書の時代から問題であり続けています。

今も昔も、経営者というのはなるべく従業員に賃金を支払わずに、自分の儲けを多くしたいものです・・・と、言いたくなるかもしれません。が、僕は行政書士でもありますから、多くの経営者さんたちと仕事上で様々なお話をしていますと、必ずしもそうではないということも見えてきます。本当に「払いたいけど払えない」という方も実はたくさんいるんです。中には自分の取り分を度外視して従業員にお金を支払って、自分は借金をしながら生活しているなんていう人さえいます。むしろ「従業員の生活なんてどうでもいいんだよ、俺が儲かれば!」なんて人は稀です。稀というか、そんな方にはお会いしたことがありません。それは一種のファンタジーのような、実在しない「作り上げられた悪役像」なのかもしれません。

ブラック企業も必ずしも自分で望んでブラック企業になっているわけではないんです。できればホワイトになりたいと望んでいる。でもなれない。そのジレンマに苦しんでいたりもするわけです。

こう考えてみれば僕たちクリスチャンも同じです。できれば罪のないホワイトな自分でありたい、あるいはなりたい。でもあれない。なれない。そのジレンマに葛藤するのがクリスチャンの隠さぬ実情だと思います。

しかしそんな「払いたいけど払えない」経営者に対しても、法律は容赦しません。「払いたいけど払えない」でも「払う気なんてさらさらない」でも関係なく、「払っていない」という事実だけに対して、労働基準法は機能します。クリスチャンも同じで、「罪から離れたいけど罪を犯してしまう」でも「罪から離れる気なんてさらさらない」でも関係なく、ただ「罪を犯した」という事実に対して神様は「ダメだよ」と言います。「悪気はなかったのでゆるして」というのは通用しないんです。

なんと厳しい神様でしょう。血も涙もないのか。
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いいえ、だからこそ僕たちにはイエスキリストによる救いが必要なんです。そして神様からそれが与えられているんです。「悪気がなかったら罪ではない」なんてことはないですが、「罪を認めて悔い改めるならゆるす」と神様は言ってくださっています。それはイエスキリストが「神様、私が身代わりになるからこの人たちみんなをゆるしてください」ととりなしてくれたからです。このあたりが聖書の罪と、労働基準法違反の違うところです。労働基準法違反は「罪を認めてこれから改善しますからゆるして」と言ってもゆるされることはありません。

労働基準法に限らず、法律違反というのは「これから改善しますからゆるして」は通用しないものです。「人を殺してしまったけど、これからは殺さないようにしますから無罪にして」なんてあり得ません。でも聖書に記されている罪については、「これから改善しますからゆるして」が通用します。神様は「わかった。悔い改めるなら過去の罪はもう忘れる!」と言ってくださいます。極端な話、「人を殺してしまったけど、これからは殺さないようにしますから無罪にして」さえ、神様の前では通るんです。もちろん、人間社会での刑法による罰は逃れられないと思いますが、神様は「もうその罪は忘れる」と言ってくださるんです。

さらに神様は「払いたいのに払えないんです」と本気で祈る人には「じゃぁこれで払いなさい」と、必要なものを与えてくださる方でもあります。自力では罪から離れられない僕たちを、罪から引き離してくださいます。罪を犯さないために必要なものを、祈る者には与えてくださるんです。

「そんな虫のいい話・・・」と思う方もいらっしゃるかとは思いますが、そんな虫のいい話だからこそ、福音(=よい知らせ)と呼ばれるんです。

それではまた。

主にありて。
MAROでした。

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