黒人初の米国務長官パウエル氏葬儀、「ワシントン大聖堂」で

【ワシントン共同】2001年に黒人で初めて米国務長官に就き、10月18日に新型コロナウイルスの感染に伴う合併症のため84歳で死去した先コリン・パウエル氏の葬儀が5日、首都ワシントンの「ワシントン大聖堂」で行われた。共和、民主両党の歴代大統領や政権幹部が参列し、党派を超えた人望の厚さを印象付けた。

画像:Department of State of the United States of America

ワシントン発共同通信によると葬儀にはブッシュ元大統領夫妻のほか、民主党のバイデン大統領夫妻、オバマ元大統領夫妻、ブリンケン国務長官、クリントン元国務長官らが出席した。感染症のため先月一時入院したクリントン元大統領や、パウエル氏を「名ばかり共和党員」と批判してきたトランプ前大統領は姿を見せなかった。

40年来の親交があり、ブッシュ(子)政権下で国務副長官として仕えたリチャード・アーミテージ氏は弔辞で、パウエル氏の「ユーモアのセンス、飽くことのない好奇心、ありのままの姿でいる心地よさ」をしのんだ。また、マドレーン・オルブライト元国務長官(民主党)も、政策では意見対立があったとしながらも「寛大で慎み深かった」と人柄をたたえた。

パウエル氏は、ニューヨーク生まれ。両親はジャマイカ移民。ニューヨーク市立大を卒業後、1958年に陸軍に入隊。レーガン政権末期に大統領補佐官(国家安全保障担当)を務め、89年、黒人として初めて制服組トップの統合参謀本部議長に就任した。2001~2005年にブッシュ(子)政権で国務長官。共和党のブッシュ(子)政権で国務長官を務めた。1996年や2000年の大統領選への出馬が取り沙汰されたが、反対する家族の感情などを考慮して出馬しなかった。

葬儀が行われた「ワシントン大聖堂」は、宗派を超えた大聖堂として、ルーズベルト大統領時代の1907年に建設を始め、83年の年月をかけて1990年ブッシュ(父)大統領の時に完成した。ネオ・ゴシック建築で、教会建築としては世界で6番目の規模を誇る。米国大統領の就任時、元大統領の葬儀など国家的行事にも使用され、アイゼンハワー大統領(1969年)、レーガン大統領(2004年)、フォード大統領(2007年)、ブッシュ(父)大統領(2018年)の葬儀もここで行われた。また、ハイチ大地震や東日本大震災などの際には超教派の祈りの会も開かれている 。

 






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