4月27日「互いに挨拶を交わしなさい」

あなたがたも、聖なる口づけによって互いに挨拶を交わしなさい。(ローマの信徒への手紙16章16節)

パウロはローマ教会の信徒たちの名前を挙げて、「主に結ばれている人たちによろしく」と挨拶する。教会の交わりは、人間的な友情を超えて、主に結ばれた交わりである。今日の聖句の「挨拶を交わす」とは、「シャローム(平和がありますようにと声を交わすことである。これは復活の主イエスが弟子たちに近づいて、声をかけた言葉である(ヨハネ20・19)。「シャローム」と声をかけてくださる主イエスを心にお迎えする時、私たちのうちに神の平和が支配する。「シャローム」は私たちを神と結び、そして、人と人を結ぶ言葉である。

主イエスは弟子たちを福音宣教に遣わすにあたり、「どこかの家に入ったら、まず、『この家に平和があるように』と言いなさい」(ルカ10・5)と命じた。私たちが交わす挨拶は、平和の福音を分かち合うことである。教会は「シャローム」と言って挨拶を交し合う交わりである。私たちが教会で交わす挨拶は、たとい「こんにちは」という言葉であっても、「主の平和がありますように」という願いが背後にある。

自分から挨拶するのは難しい。気心が分かっている人ならともかく、知らない人や、対立している人に挨拶するのは難しい。しかし、主イエスは弟子たちに「自分の兄弟にだけ挨拶したところで、どんな優れたことをしたことになろうか。」(マタイ5・47)と言って、だれに対しても分け隔でなく挨拶するように命じている。私たちは主にあって結ばれる教会の交わりの輸の広がりを願って、だれに対しても、すすんで挨拶をしよう。

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

この記事もおすすめ