WCRP日本委 新会長に杉谷義純氏が就任、(公財)移行後初の会長交代 

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会は6月19日に開催した評議会において、新会長に天台宗妙法院門跡門主の杉谷義純(すぎたに・ぎじゅん)氏(81)を選任した。任期は4年間。同日本委が2012年に財団法人から公益財団法人に移行して以来、会長が交代するのは初めてとなる。

同日本委は、立正佼成会会長の庭野日鑛(にわの・にちこう)氏がこれまで3期12年にわたって会長を務めてきた。今回任期満了に伴う改選が行われたが、同評議員会の席上、庭野氏から退任の意向が示され、評議員による互選の結果、杉谷氏が新たな会長として就任することが決まった。

杉谷氏は、1942年年東京生まれ。慶応義塾大学法学部法律学科を卒業し、大正大学大学院博士課程単位取得。その後、寛永寺執事、比叡山宗教サミット事務局長、天台宗宗務総長、文部科学省宗教法人 審議会委員、大正大学理事長などを歴任。2017年9月には三十三間堂本坊妙法院門跡門主第五十二世に就任したほか、天台宗宗機顧問会会長を務めている。同日本委では、1990年から評議員や事務総長を歴任。2012年の 公益財団法人移行時に理事長に就任(3期6年)し、2018年からは評議員を務めてきた。

評議員会後に開いた記者会見で杉谷新会長は、同日本委発足の経緯を振り返りながら、「発足の目的に少しでも近づけるよう、誠心誠意持てる力を十分に発揮していきたい」と抱負を述べた。

会長を退任した庭野氏は、1987年から同日本委で評議員や常務理事を歴任し、2005年に理事長に就任。2012年の公益財団法人移行時から会長を務めてきた。記者会見では、長年にわたり支え続けてくれた関係者に感謝の言葉を伝え、これからの同日本委の活動について「諸宗教者を中心にした活動によって、思いやりのあふれる社会・調和のある世界が実現することを心から願っている」と語った。

左:庭野前会長、右:杉谷新会長(写真提供=WCRP日本委員会)

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)は、1970年に発足した国際 NGO。国連経済社会理事会に属し、1999年に総合協議資格を取得。世界90カ国以上にわたる国際諸宗教ネットワークとして諸宗教間の対話・協力を通した紛争和解や平和教育などの 平和構築活動を行っている。同日本委員会は、1972年に日本宗教連盟の国際問題委員会を母体として発足し、現在は公益財団法人として諸宗教連帯による平和活動を行っている。

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