宗教指導者らが全米ライフル協会へ抗議

MariakrayによるPixabayからの画像

ジョージ・R・ブラウン会議場の外に集まった500人の活動家、教師、政治家、市民の中には、ウバルデのロブ小学校での死亡事件に対する抗議に宗教界の声も加えようとする多くの宗教指導者がいた。「レリジョン・ニュース・サービス」が報じた。

テキサス州ウバルデの小学校で起きた銃乱射事件で21人が死亡し、銃の権利に関する全米の議論が再燃した数日後の5月27日、テキサスの炎天下に数百人のデモ隊が集まり、全米ライフル協会(NRA)の年次総会会議場の外で抗議を行った。

会議では、ドナルド・トランプ前大統領、テッド・クルーズ上院議員などの政治家や、NRAの関係者が講演する予定だった。5月26日、グレッグ・アボット州知事は会議を欠席し、代わりにウバルデを訪問すると発表した。

「銃の暴力は私たち全員に影響する」と、宗派を超えたデモを企画した2人のヒューストン在住者の1人、メーガン・ドシャー・ハンセン氏は「レリジョン・ニュース・サービス」に語った。「礼拝所、特に少数派の宗教施設が、銃乱射事件やその他の暴力行為の標的になることがあまりに多い。……米国に住むすべての人々の生活は、個人的なレベルで銃の暴力にさらされる可能性がある」

周辺道路は封鎖され、ディスカバリー・グリーン・パークとコンベンション・センターを隔てる道路アベニーダ・デ・ラス・アメリカスで、機動隊が抗議者と抗議反対者を反対側に配置した。両者は侮辱的な言葉を叫び、異宗教間の聖職者たちは公園とコンベンション・センターの間の封鎖された通りを、一方は猛烈な抗議者たちに、もう一方は警護されたカンファレンス参加者たちに挟まれながら行進し始めた。

コンベンション・センターに向かって横断しようとした、宗教を超えたコミュニティーのリーダー、テレサ・キム・ペシノフスキーさんが警備員に制止され、現場は熱気を帯びてきた。妊娠4カ月のペシノフスキーさんは、安全のために柵の後ろに押しやられ、その後テキサス女性病院に運ばれた。

この口論を目撃した新契約長老教会の総長老、リン・ハーグローブ氏は、「私たちは個々に列を横切って行くことができると言われていた」と述べた。「隙があったので、警備員が彼女を掴み、彼女は逃げようとしたのだが、その後、彼は彼女をより強く掴み、結局、彼女を押し戻し、列を横切らせた」

ヒューストン消防署長のサミュエル・ペーニャ氏が開いた記者会見では、抗議デモに参加する予定の人たちに衝突しないよう警告する一幕もあった。「ここは全米で最も多様性のある都市だ。確かに、我々は群衆の中に集まって、憲法修正第1条の権利を行使し、互いの意見を尊重しながら行うことができる」

事件の後、宗派を超えたコミュニティーは行進を終え、木陰に集まり、キリスト教、イスラム教、仏教のコミュニティーの代表者がスピーチを行った。ウバルデで殺害された犠牲者の名前を厳粛に読み上げた後、ホスピスのチャプレンであるラファエル・ビジャレアル・ファルケス師がスペイン語で祈りをささげた。しかし、その後方では、ルーテル・キンドレッド教会のアシュリー・デラギアコマ牧師が「地上に平和を、今日から始めよう」と書かれた看板を掲げて立っていた。

デラギアコマ牧師は、自分が銃を所持していることも認めつつ「私たちは皆、悲しみや不満に応え、信仰を持つ者としてそれを調和させる方法を探しているのだ」と語り、「私たちは意見が違うことよりも、共有していることの方が多いと思う。私は銃を所持している。しかし、私たちはどのように銃なしで自分自身を守り、何よりも大切な、犠牲にさらされる命を守ることができるのだろうか」と述べた。

宗教者の中には、NRAの会員であることを罪に近いと話す人もいた。「もしあなたが毎朝起きて、キリスト教徒であると主張し、この組織のメンバーであるなら、悔い改める必要があると言いたい」と、「万人の司祭」と自称する信仰に基づく活動家、ジェリー・メイナード氏は言った。「銃で平和を作り出すことはできない」

ウバルデでの銃乱射事件の翌日、NRAは声明を発表し、18歳の単独犯による暴力事件を非難し、学校の安全性を高めるための努力を強化するよう促した。しかし、会議の外にいる宗教指導者たちは集った人々に対し、銃規制を制定するよう議員に呼びかけることを促した。「私たちの願いは、世論の反発によって、普遍的な身元調査を義務付け、対人殺傷用兵器を禁止する法律を制定することだ」と、ドーシャー・ハンセン氏は語った。「今回のデモや他のデモの参加者の中で、これまでこの問題に取り組んでこなかった人たちが、家に帰り、銃による暴力、銃文化への加担について本当の意味で会話をしてくれることを望んでいる」

(翻訳協力=中山信之)

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