11月18日「わたしは世の光である」

わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ。(ヨハネによる福音書8章12節)

今日の聖句は主イエスの自己宣言である。主イエスは暗闇の中を歩む者に命の光を輝かす世の光である。 暗闇とは人の命が損なわれている世界である。 武力、暴力、いじめ、差別、憎しみによって命が損なわれている世界である。

「殺してはならない」とは神の戒めである。神は人の命を損なう者には賠償を要求する(創世記9・5〜6)。人の命は、神がご自分にかたどって造られたからである。「神にかたどって造られた」命とは、ただ肉体が生きながらえる命ではなく、交わりによって生きる命である。

暗闇とは神にかたどって造られた人の命が損なわれている世界である 。主イエスは肉体の命のみならず、人格的な命が損なわれている世の暗闇を明るみに出し、「わたしは世の光である」と言って、暗闇の中を歩んでいる者を招いておられる。主イエスの招きに応え、 主との交わりの中で生きることによって、私たちは人間本来の命を回復する。

私たちは生まれた時から、身体、才能、境遇などに遣いがあり、同じではない。しかし、主イエスが「タラントンのたとえ 」(マタイ25章)で語られたように、これを神が私に与えられた人生と肯定し、主イエスに結ばれて精一杯生きるならば、神の光に照らされて、命は輝く。治らない病気を負っている人、ハンデを背負って生きることが、心の窓が永遠に向かって開かれ、神の光が身近に感じられることもある。暗い面を見て悲観せず、主イエスを仰いで、闇の中に輝いている神の光を見て歩もう。

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

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