キリスト教諸派 統一協会への解散命令請求受け初の共同声明「すべての被害者に寄り添う」

カトリック中央協議会、在日大韓基督教会、日本イエス・キリスト教団、日本基督教団、日本聖公会、日本バプテスト連盟、日本福音ルーテル教会、日本キリスト教協議会(NCC)の8教派・団体は11月25日、統一協会(世界平和統一家庭連合)への解散命令請求を受け、「世界平和統一家庭連合(旧・統一協会)に対する解散命令請求に関する声明」を発表した。

声明は、統一協会を「法令に違反し、著しく公共の福祉を害する『破壊的カルト』」と認識する立場から今回の解散命令請求を評価した上で、「自由意志をゆがめられ、継続して情報操作や精神的あるいは経済的虐待を受け続けた結果、これまで旧・統一協会を離れる機会を得られなかった被害者たちも多くいる」とし、「現役信者とその家族たち、脱会者とその家族たちに対する差別につながっては」ならないと指摘。「国が旧・統一協会の違法性・悪質性を認定した新しい局面を見据えつつ、今後も継続して旧・統一協会とその関連団体によるすべての被害者に寄り添い、支援して」いくと表明している。

声明の全文は以下の通り。


世界平和統一家庭連合(旧・統一協会)に対する解散命令請求に関する声明

わたしたちは世界平和統一家庭連合(旧・世界基督教統一神霊協会)およびその関連団体による被害者から寄せられた相談を受け、救済のために活動してきました。わたしたちは国が旧・統一協会の実態を綿密に調査し、解散命令請求を裁判所に提出したことを評価します。

旧・統一協会は、法令に違反し、著しく公共の福祉を害する「破壊的カルト」であると、わたしたちは認識しています。しかし、旧・統一協会に対する批判が、現役信者とその家族たち、脱会者とその家族たちに対する差別につながってはなりません。教化育成過程において自由意志をゆがめられ、継続して情報操作や精神的あるいは経済的虐待を受け続けた結果、これまで旧・統一協会を離れる機会を得られなかった被害者たちも多くいると考えます。

旧・統一協会およびその関連団体は、金銭収奪の問題のみならず、被害者たち一人ひとりの人生全体に深刻な悲しみと苦しみを長期間に渡り及ぼしてきました。そして、そのような旧・統一協会およびその関連団体と国会・地方議会の政治家との癒着関係について、また、それが政治にどのような影響を与えてきたかについて、その全貌はいまだ明らかにされていません。

わたしたちは国が旧・統一協会の違法性・悪質性を認定した新しい局面を見据えつつ、今後も継続して旧・統一協会とその関連団体によるすべての被害者に寄り添い、支援してまいります。

2023年11月25日

カトリック中央協議会
在日大韓基督教会
日本イエス・キリスト教団
日本基督教団
日本聖公会
日本バプテスト連盟
日本福音ルーテル教会
日本キリスト教協議会

【異端・カルト110番】 統一協会に解散命令請求 懸念されるさらなる被害に全国弁連が注意喚起 2023年10月12日

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