5月9日 レビ記19章9節

 穀物を収穫するときは、畑の隅まで刈り尽くしてはならない。収穫後の落ち穂を拾い集めてはならない。
レビ記19章9節(参考箇所同書19章1〜37節)

イスラエル共同体は、弱い立場にある者を保護するのは隣人への大きな愛であって、それによって共同体全体が恵みを受けるとしました。この規定は、土地を持たない貧乏な人が飢えることなく過ごすことを目的にしたものです。ルツがこの規定によって助けられたことを思えば、見過ごしにできない規定のひとつです(ルツ記2章)。

現代社会は弱肉強食、優勝劣敗の世界です。このルールが社会に跋扈(ばっこ)するときは、相手を打ち負かすための競争をしなければなりません。そうなれば人間関係は益々差別化が激しくなります。そういう社会では、自分の責任でなく弱者として生きねばならない者、生まれつき能力が及ばない者は、落ちこぼれる以外に道はないことになります。その点では、キリスト教会は、聖書の精神を汲み、教育、福祉、医療、そして最近では心理臨床の働きにまで及んで弱い者と共に生きる社会の形成を目指してきました。

同時に、これはキリスト者一人一人に通じる優しさの精神です。譲る、思いやる、もてなす、いたわる、これらは現代社会が求める優しさです。優しさをほんの少しでも分かち合うことができれば、どれほど社会を潤すことか、優しさを貰った者はよく知っています。

 






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