カトリック東京大司教区、公開ミサの中止を29日まで延長 痛みを覚える人へ動画で励ましの言葉

 

カトリック東京大司教区の菊地功(きくち・いさお)大司教は10日、「新型コロナ・ウイルス感染症に伴う3月15日以降の対応」と題した文書を発表した。

「3月15日(日)から3月29日(日)まで、東京教区のすべての信徒を対象に、主日のミサにあずかる義務を免除」するとともに、「3月15日(日)以降も当面の間、公開のミサを原則として中止」するという。

カトリック東京大司教区の菊地功大司教(自身のツイッターより)

それに先立つ2月26日、「新型コロナ・ウイルス感染症に伴う、公開のミサ中止について」と題する文書で、「2月27日(木)から3月14日(土)まで、公開のミサを原則として中止」するとしていたが、公開ミサ中止の期間が延長されたことになる。

新型コロナ・ウイルス対策を検討する政府の専門家会議は9日、今の状況について「爆発的な感染拡大には進んでいない」としたものの、イベント自粛などの対策については継続するよう求めたことを受けたかたちだ。安倍晋三首相も10日、新型コロナ・ウイルス感染症対策本部の会合で、大規模イベントの自粛について「今後おおむね10日間程度」はこれまでの取り組みを継続するよう求める方針を表明した。

菊地大司教は9日、「新型コロナ・ウイルス感染症に伴う困難な時期にあって」という文書と動画を発表し、公開ミサ中止で直接聖体拝領が受けられない痛みを覚えている人に向けて励ましの言葉を語った。これはその一部だ。

この困難な時期にあっては、互いの命を守ることを最優先に考え、豊かな思いやりの心で支え合うことを第一に考えてくださることを望んでいます。今回のような、まれに見る状況に遭遇して、お一人お一人のこれまでの信仰生活の体験に基づいた、様々な思いが交錯していることと推察いたします。こういったときだからこそ、わたしたちがキリスト者として、主イエスの体における一致へと招かれていることをあらためて思い起こし、一人で祈っているときであっても、それが目に見えない形であったとしても、わたしたちはつねに主イエスの体である一つの共同体に結ばれているのだという信仰における確信を深めていただくことを期待しています。わたしたちはこの信仰を一人で生きているのではありません。目に見えないきずなのうちに、ともに道を歩みながら、信仰を生きているのです。

「カトリック東京大司教区の皆様」に宛てた「新型コロナ・ウイルス感染症に伴う3月15日以降の対応」の全文は次のとおり。

新型コロナ・ウイルスによる感染症の拡大と重篤な症例が報告が相次ぎ、世界各地で公開のミサなど教会活動の中止が決められています。一昨日にはローマ教区を含めイタリア全土のミサの中止も発表されました。国内における感染のピークの時期も、まだ見通せていません。

こういった状況に鑑(かんが)み、3月15日以降の東京教区の対応を以下のように定めましたので、具体的な対策をお願いいたします。

1 3月15日(日)から3月29日(日)まで、東京教区のすべての信徒を対象に、主日のミサにあずかる義務を免除します。

2 3月15日(日)以降も当面の間、公開のミサを原則として中止します。

3 結婚式と葬儀については、充分な感染症対策をとった上で、通常通り行います。

4 ミサ以外の諸行事に関しては、規模が小さい集まりを除いて、できる限り延期または中止するようにご配慮ください。実施する場合は、手指消毒はもとより、換気を充分に行い、互いの間隔を大きくとり、できる限り短時間で終了するように心がけてください。

なお、関口教会の信徒の方のご協力を得て、主日のミサをインターネットで映像配信していますが、これを当分の間継続しますので、映像を通じて祈りの時をともにし、霊的聖体拝領を受けられるように勧めます。

また主日に祈りを捧げる務めがなくなるわけではありませんから、教会共同体との一致のうちに、主日には祈りの時を持つように務めてください。

なお映像配信については、字幕などのサービスを常時提供できないこともあります。担当してくださる方のボランティアとしてのサービスに頼っておりますので、ご理解いただきますようにお願いいたします。

3月30日以降の対応については、状況を見極めながら、医療専門家の助言をいただき、3月23日過ぎ頃に、あらためて発表いたします。

 






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