キリスト教婦人矯風会、「即位礼・大嘗祭(だいじょうさい)」に対する声明発表

キリスト教婦人矯風(きょうふう)会(代表理事:飯田瑞穂、鏡清美)は28日、「即位礼・大嘗祭(だいじょうさい)」に対する声明を発表し、安倍晋三内閣総理大臣、菅義偉内閣官房長官、山本信一郎宮内庁長官宛に提出した。内容は以下のとおり。

天皇の生前退位に伴う代替わり儀式「即位礼」「大嘗祭」が、前例を踏襲して行われることが閣議決定されています。日本キリスト教婦人矯風会は、以下の理由により、これらの儀式が前例を踏襲して行われることに反対を表明します。

1.「即位の礼」について
天皇の代替わり儀式は、1年をかけて行われる宮中祭祀(さいし)を中心とした儀式の連続です。中でも、「剣璽等承継の儀(けんじとうしょうけいのぎ)」は、「日本書紀」に由来する神道的な考えにもとづいているため、宗教色を薄めようと天皇が公務で使う印章御璽(ぎょくじ)・国璽(こくじ)を加え、「剣璽等承継の儀」として行おうとしています。また、天皇が天孫降臨(てんそんこうりん)神話にもとづき「高御座(たかみくら)」に登壇し、三権の長が宣明を一段下がった所で承(うけたまわ)る「即位礼正殿の儀(そくいれいせいでんのぎ)」などもあります。これら宗教色の濃い一連の儀式を国事行為として行うことは、憲法の国民主権・政教分離の理念に著しく反し、決して認めることはできません。

2.大嘗祭について
即位した天皇が神的な存在(天照大神(あまてらすおおかみ)の神性を得る)になるといわれる大嘗祭は、「神人共食(しんじんきょうしょく)」を中心とした祭祀で、「国家・国民のためにその安寧(あんねい)と五穀豊穣(ごこくほうじょう)などを感謝し、祈念する」宗教儀式であり、憲法が禁止する国の宗教活動です。

3.代替わりに伴う予算について
皇位継承の式典関連予算は、2019年度分で約144億円。大嘗祭の関連予算は2020年度分を含めると27億1900万円です。「宮中祭祀は日本の伝統文化だから政教分離には抵触しないし、国費の支出は必要経費である」とするのは憲法20条の政教分離、89条の公の財産の支出又は利用制限に違反します。

かつて、日本では国家神道体制のもと、天皇を神格化し、人々の思想・信教の自由を奪いました。その反省に立ち、憲法が制定されました。

私たち日本キリスト教婦人矯風会は、国民主権・政教分離の観点から、旧皇室典範(きゅうこうしつてんぱん)と登極令(とうきょくれい)に基づいた神話的性格の色濃いこれらの儀式が国の行事として行われることに強く反対します。

矯風会館(写真:Evangelical)

日本バプテスト連盟性差別問題特別委員会も同日、「『天皇代替わり』を先の戦争の反省の時とするよう要請します」という声明を出した。

日本基督教団の石橋秀雄総会議長による「天皇の退位および即位の諸行事に関する声明」は昨年7月9日、日本カトリック司教協議会による「天皇の退位と即位に際しての政教分離に関する要望書」は同2月22日、日本キリスト改革派教会の川杉安美大会議長による「天皇『代替わり』の諸行事に関して政教分離と国民主権の原則を厳守するよう求める声明」は同10月10日に出されている。

 






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