英メディアBBC報道によると、英国と北アイルランドの各地で暴動が10日連続して発生、警官70人以上が負傷し、市民10人が逮捕された。4月7日夜の暴動は北アイルランドで近年最悪の規模だったとされ、8日にも主要都市ベルファストなどで暴徒が警察に火炎瓶や石などを投げつける騒ぎになった。
騒乱が最初に起きたのは3月29日で、北アイルランド北西部でアイルランド国境に近いロンドンデリーでのこと。その後は、ほぼ毎晩のように衝突がベルファスト、キャリックファーガス、バリーメナ、ニュートンアビーなどに拡散。4月7日夜にはベルファスト西部で、主にプロテスタント派のイギリス帰属派の住む地区と、主にカトリック派のアイルランド統一独立派の地区を分ける、俗に「平和の壁」と呼ばれる壁の周辺で、帰属派と独立派の対立に拡大した。
英国とアイルランド両国首相は電話会談を行い、共に相次ぐ暴力を非難した。北アイルランド自治政府は8日、騒乱を「直ちに完全に終わらせるよう」呼びかけた。
特定の組織が暴動を組織的に主導している明確な動きは見られていないが、騒ぎの多くは、英国帰属支持派の準軍事組織とつながりのあるギャング集団が影響力をもつ地域で起きている。ベルファスト西部では7日夜、英国帰属派とアイルランドとの統一独立を希望する派が接触する通り周辺で乱闘があり、警官8人が負傷。市バスが1台燃やされた。
8日夜にも騒ぎが続き、地元警察は6年ぶりに放水車を使って鎮圧した。警察によると8日夜には、警官19人が負傷。連夜の騒乱で負傷した警官は74人になったという。
アイルランドのミホル・マーティン首相=写真=は、ボリス・ジョンソン英首相と電話で連日の騒乱について協議したことを明らかにし、「対話と、ベルファスト合意(北アイルランド紛争に関する和平合意)の機構を活用することが、前進のための道筋だ」とコメントした。(CJC)
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