新型コロナウイルスの影響で、ニューヨーク市マンハッタン区51丁目5番街にあるカトリック教会セントパトリック大聖堂が財政難に陥っている。ニューヨーク・タイムズ紙7月19日付報道を、現地邦字紙デイリー・サンが21日伝えている。
大聖堂への訪問者は通常90%が地域外の在住者。献金やギフトショップの売り上げで月100万ドル(約1億715万円)の歳入があった。ところが、コロナ禍で大聖堂も3月に閉鎖、6月28日に日曜ミサを再開したが、旅行客の参加が激減した。通常1万5000人の定員を、入場制限で1800人に減らしたが、これまでのミサに集まったのは内外400人。
このため400万ドル(約4億2800万円)の歳入不足になった。光熱費の支払いも難しい。大聖堂のロバート・リッチー主任司祭は、「このようなことは今までなかった。イースターはおこなわれず。夏の観光シーズンも壊滅的。ディナーなど寄付金集めもできない」と頭を抱える。
セントパトリック大聖堂は、ニューヨーク大司教区から支援はなく、逆に、歳入の8%を大司教区に収める立場にある。ただ、給与保護プログラム(PPP)の対象となり、連邦政府から100万ドル弱の支援を受けて、50~80人の従業員は解雇を免れた。それでも献金頼みは変わらず、リッチー司祭は「できる方はどなたでも」と献金を呼びかけている。
ペンシルベニア州ビラノバにあるカトリック系ビラノバ大学のマシュー・マニオン教授によると、米国内にあるカトリック教会177教区の内92教区で3月以降、歳入が半減した。
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