「戦犯」とされたキリスト教徒による獄中機関紙『信友』が復刊

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巣鴨拘置所(スガモプリズン)に収容されていたキリスト教徒のグループ「信友会」の機関誌『信友』(全3巻+別冊1)が、不二出版より復刻版として刊行された。同誌は受刑者らの情報共有誌であっただけでなく、戦犯、キリスト教徒としての立場から、過去の戦争を顧みつつ、講和問題、再軍備問題、戦争責任問題など、戦後日本に対して鋭く切り込んだ論説が数多く掲載されている。

不二出版では、すでに獄中紙『すがも新聞』の復刻を手掛けたが、『信友』は長くその存在すら知られておらず、「キリスト教徒戦犯の苦悩と投げかけを広く世に問うため」復刻版として刊行したという。

復刊にあたり若井和生氏(単立飯能キリスト聖園教会牧師)は、「プリズンの中で平和を祈り続けたキリスト者」と題する推薦文の中で、戦後のキリスト教会が「新しい時代の到来を歓迎しつつ伝道活動に励んで」いたものの、「戦時中に自らが犯した(偶像崇拝の)罪は放置されたまま」だったと指摘。「信友会」を組織し、機関紙『信友』を発行し続けた中田善秋氏を「神と人との前で自らの罪と真撃に向き合い続けた人物」と評し、同書を「深い罪の自覚の中でキリストの十字架の愛に触れ、赦された者として人を赦し、塀の中から平和を求め続け」たキリスト者の「平和を求めるたましいの祈り」と紹介している。

B5判・上製・総約1300頁、揃定価71500円(本体揃価格65000円+税)。編・解題=内海愛子(大阪経済法科大学客員教授)、山川 暁(記録文学作家)、豊川 慎(関東学院大学教員)。推薦=小塩海平(東京農業大学教授)、岡田泰平(東京大学大学院教授)、若井和生(飯能キリスト聖園教会牧師)。

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