12月13日 ヨハネ黙示録22章20節

「然り、わたしはすぐ来る。」アーメン、主よ、来てください。
ヨハネ黙示録22章20節(参照箇所同書22:8〜21)

「主よ、来てください(マラナ・タ)」とは、主の来臨を願う祈りというより、「然り、わたしはすぐ来る」との約束を、「然り(アーメン)」と信じた者の応答の祈りです。

しかしながら、「すぐ来る」と約束されるお方は、「わたしはアルファであり、オメガである。最初の者にして、最後の者、初めであり、終わりである」(13節)と言われます。このお方は、やがて来るお方であると同時に、すでにおいでになったお方でもあるとの意味がここにあります。

この時期、わたしたちは、間もなくやって来るクリスマスを心待ちにして、アドベントといわれる季節を迎えています。アドベントという言葉には「到来する」という意味があるように、これからおいでになる方を待つ季節なのです。そのお方はベツレヘムの家畜小屋にお生まれになった幼子です。すでにおいでになったお方を待ち望んでいるのです。すでにおいでなった方の中に、「わたしはすぐ来る」と約束された方を見ているのです。「主よ、来てください」との祈りは、それこそわたしたちの救いをこの地上で完成されたお方を待つ祈りです。これこそが、この季節にふさわしい信仰なのです。

賀来 周一

賀来 周一

1931年、福岡県生まれ。鹿児島大学、立教大学大学院、日本ルーテル神学校、米国トリニティー・ルーテル神学校卒業。日本福音ルーテル教会牧師として、京都賀茂川、東京、札幌、武蔵野教会を牧会。その後、ルーテル学院大学教授を経て、現在、キリスト教カウンセリングセンター理事長。

この記事もおすすめ