3月6日 マタイ4章19-20節

イエスは「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」と言われた。二人はすぐに網を捨てて従った。
マタイ4章19-20節(参照箇所同書4章18-22節)

主はガリラヤ湖畔で漁の真っ最中であったシモン・ペトロやアンデレに「わたしについてきなさい」と声を掛けられました。主の召しは、シモンたちがそうであったように日常の営みの真っ最中に呼び掛けられます。その声に従うか、従わないかは、今までの生活を変えて、主に従うかどうかを決断次第です。
この決断は、よくよく考えてのことではありません。シモンもアンデレも「すぐに網を捨てて従った」とあります。主に従うときには、人があらかじめ計画するゆとりがありません。瞬時の決断が求められるのです。とつおいつ考えている間に、人間の思いがつのってきて、「まあまあ」とか、「まだまだ」と言うなら、変わらぬこれまでの生きかたが続くのみです。
同時に、彼らは「網を捨てた」とあります。網とは、それによって今迄生きてきた手段であり、方法です。それなくしては生きることができなかったものでもあります。時としては、価値観であったり、考え方であったりするかもしれません。主に従うときには、もはや不要となるものであります。これからは主御自身が彼らの「網」となってくださいます。だから人間を取る漁師となるのです。

賀来 周一

賀来 周一

1931年、福岡県生まれ。鹿児島大学、立教大学大学院、日本ルーテル神学校、米国トリニティー・ルーテル神学校卒業。日本福音ルーテル教会牧師として、京都賀茂川、東京、札幌、武蔵野教会を牧会。その後、ルーテル学院大学教授を経て、現在、キリスト教カウンセリングセンター理事長。

この記事もおすすめ