金子晴勇著 キリスト教思想史の諸時代Ⅵ(佐藤真一)【本のひろば.com】

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評者: 佐藤真一

宗教改革と近代を貫くヨーロッパ精神の地下水脈
〈評者〉佐藤真一


キリスト教思想史の諸時代Ⅵ
宗教改革と近代思想

金子晴勇著
新書判・272頁・定価1320円・ヨベル
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近代ヨーロッパは啓蒙主義とともに始まる。このように捉えたのはトレルチの洞察であった(「啓蒙主義」一八九七年)。啓蒙主義は、ヨーロッパの生活全般に大きな変化をもたらしたばかりでなく、超自然主義を排除することによって伝統的な哲学、歴史学そして神学に変容を迫った。こうした指摘は、宗教改革と近代との間には溝が存在するという理解を前提としている。
著書『ルターの人間学』(一九七五年)以来ヨーロッパ思想史の緻密な原典研究と取り組んでこられた金子晴勇氏が、こうした問題意識を共有するとともに、神秘主義の伝統の中で培われた「霊性」思想に着目することによって宗教改革から十九世紀に至るドイツ思想史に新鮮な光を投げかけていることに、本書の大きな意義がある。

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