中山直子著 二羽の小鳥 信仰の尽きぬよろこび(水島祥子)【本のひろば.com】

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評者: 水島祥子

「よきもの」を再認識させられる詩文集
〈評者〉水島祥子


二羽の小鳥 信仰の尽きぬよろこび
中山直子著
四六判・186頁・定価1980円・日本キリスト教団出版局
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あれは3年前、教会への説教奉仕のときのこと。礼拝開始まで時間があり、わたしはロビーで何気なく月刊誌『信徒の友』をめくった。その瞬間の出遭いだった。巻頭の「祈り」のページにあった「小鳥の歌った歌」である。その詩の内容が映像として見えた。これが、中山直子さんの詩との衝撃的な出遭いだった。
わたしは普段好んで詩を読む方ではない。活字中毒だった中高生の頃は、学校の宿題もそこそこに家にある新聞や月刊誌、学校の図書室や友人から借りた本まで一晩一冊ペースで読んだ。ジャンルは不問。小説が多かったが詩集も図書室にある有名なものは割と読んだ。しかし、ここ何年も自分から進んで本を読むことができなくなってしまった。膨大な情報量に毎日接するあまり、読みたくても本に手を伸ばす余裕がないのだ。
そのような状況での中山直子さんの詩との出遭いだったから、衝撃は大きく強烈だった。どのような方かも存じ上げず、でも礼拝式次第での交読文に代えて「小鳥の歌った歌」をリタニー(交祷)として使用することにご快諾をいただいた。

 

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