自分で救いを求めなくても、仲間が代わりに求めてくれる【聖書からよもやま話477】

主の御名をあがめます。

皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は 新約聖書、マルコの福音書の2章です。よろしくどうぞ。

マルコの福音書 2章4節

彼らは群衆のためにイエスに近づくことができなかったので、イエスがおられるあたりの屋根をはがし、穴を開けて、中風の人が寝ている寝床をつり降ろした。(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

イエス様がカペナウムという街である家に滞在していました。「あの家にイエスさんがいるぞー!」という情報はあっという間に町中に広がり、たくさんの人がその家に押しかけました。イエス様がみんなの病気を治してくれるという噂がすでに広がっていましたから、人々は「僕の病気も直してくれ!」「私の病気も治してちょうだい!」と殺到したのでした。

そんな中、その人混みに入れない人がいました。病気で寝たきりな人です。家に殺到している人たちはたしかにそれぞれ治したい病気を抱えていたのかもしれませんが、それでも自分の足でその家に押しかける元気のある人たちです。しかしこの人は違いました。本当に深刻な病気で寝床から起き上がることもできなかったんです。ですから当然、イエス様のいる家に入ることもできませんでした。

そこで、その人の友人たちは考えました。「なんとかしてこの友をイエス様に会わせてこの病気を治してやりたい!」。そこで彼らはその家の屋根をぶち壊して、その病人をベッドごと上から吊り降ろして入れました。もう、昭和の結婚式で流行したゴンドラ入場みたいな感じです。なんと強引なことをするのでしょう。しかしイエス様はそれをみて言いました。「立派な信仰だ。君の罪はゆるされたよ」こうしてその人の病気は癒やされたのでした。

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UnsplashJack Price-Burnsが撮影した写真

現代社会でもずーっと続いている問題です。本当に弱い人に、なかなか救いの手が届かない。「助けてくれ!」と声をあげて、救いのある場所に殺到できる人ばかりが救われて、その声さえあげられないほど弱り、自分から救いの場所に行くことができない人は救われない。しかし本当に救うべきは、そういう人たちのはずです。

たとえば現代の生活保護制度では、生活保護を受けるには自分から役所に行って手続きをしなければいけません。しかしその気力も体力もない人に、役所の方から「保護しましょうか?」と語りかけることはありません。そこに、人間社会の限界があるように思います。

しかしイエス様はその最も弱った人を救いました。それができるのが神様の力です。たしかに彼は友人の力を借りたのですが、それは言い換えるならばその友人たちの祈りです。僕たちは本当に弱ったとき、祈ることすらできません。しかし共に祈る仲間がいれば、その仲間が代わりに祈ってくれます。「この人を助けたいんだ」と仲間が仲間のために強く祈るとき、たとえ自分では祈る力がなかったとしても、イエス様は、神様は、きっと「あなたの罪はゆるされた」とその人を救ってくれるんです。

本当に弱っているとき、自分で救いを求めなくてもいいんです。祈ってくれる仲間がいるのなら、その祈りに任せてしまってもいいんです。そして反対に、自分が祈れるなら、祈れない仲間の分まで祈ることが大切です。そうやってクリスチャンは互いに祈り合う「祈りネットワーク」を構築していくんです。そして神様はそのネットワークを喜んでくださる方です。

僕も実はここしばらく少々体調を崩して弱っていたのですが、この「代わりに祈ってくれる仲間がいる」ということがずいぶんと安心感をもたらしてくれました。この安心感がなかったらもう少し不調が長引いていたかもしれません。弱った時ほど、祈ってくれる仲間のありがたさを痛感するものです。さすがに僕の仲間たちは人の家の屋根をぶち壊すような乱暴なことはしませんけれど。

それではまた。

主にありて。
MAROでした。

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