「二回目の奇跡」は一回目よりすごいと思う【聖書からよもやま話106】

主の御名をあがめます。

皆様いかがお過ごしでしょうか。MAROです。
今日もクリプレにおこしいただきありがとうございます。

毎回、新旧約聖書全1189章からランダムに選ばれた章を読んで、僕の心に浮かんだ事柄を、ざっくばらんに話してみようという【聖書からよもやま話】、今日は 旧約聖書、ヨシュア記の4章です。それではよろしくどうぞ。


◆ヨシュア記 4章23節

あなたがたの神、主が、あなたがたが渡り終えるまで、あなたがたのためにヨルダン川の水を涸らしてくださったからだ。このことは、あなたがたの神、主が葦の海になさったこと、すなわち、私たちが渡り終えるまで、私たちのためにその海を涸らしてくださったのと同じである。
(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)


ヨシュアはモーセの後継者です。神様がモーセを用いて起こした、あの海がパカーンと割れた奇跡は、『十戒』で映画史に残る名シーンとなったほどに有名ですが、実は神様はヨシュアを通しても同じような軌跡を起こしたことは、あまり知られていません。

モーセの時、神様は紅海を割ってイスラエルの民を助けましたが、ヨシュアの時は神様はヨルダン川の流れを止めて、イスラエルの民を助けました。どちらも通常なら水によって進路が阻まれている道の、水を排除して道をつくったということです。

この奇跡によってヨシュアは、モーセに匹敵するイスラエルの指導者として皆に認められるようになりました。そして、ヨシュアによって出エジプトの偉業は達成されました。ですから本当は、ヨシュアはモーセと同じくらい、有名で尊敬されるべき人物です。

しかし、後世の評価や、特にクリスチャンではない方々からの知名度という点で、ヨシュアはモーセに明らかに遅れをとっています。クリスチャンでない方でも、モーセの名前は知っていますが、ヨシュアの名前は知らないことが多いのではないでしょうか。モーセを通して神様が紅海を割ったことは誰もが知っていますが、ヨシュアを通して神様がヨルダンの流れを止めたことを知る人はそれほど多くはありません。

・・・やっぱり何事も、最初にやった人が、2番目にやった人よりも圧倒的に強い認知度と評価を得るということなのかもしれません。

でも、我々にとって大切なのは後世の評価や認知度ではありません。その点で言えば「2番じゃダメなんです」と言わざるを得ないのかもしれませんが、信仰という点で言えば「2番でもいい」んです。神様の視点で見れば、モーセとヨシュアに優劣はないんです。だってこの「ヨルダンの流れを止める」という奇跡で、神様が「ヨシュアはモーセに匹敵する者である」ということを示したんですから。

むしろ僕の個人的な感想では「一回だけならたまたまという人もいるだろうけども、二回も起きたのなら、それはもうまごうことなき奇跡と言える」と思うんです。その点で、ヨシュアを通して起こったこの「二度目の奇跡」の方が「すごいなーーー!」と思うんです。

それではまた。
主にありて。
MAROでした。

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横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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