スイスで9月26日、同性婚の合法化をめぐる国民投票があり、約64%が合法化を支持した。同性婚を合法と認めるのは、スイスが世界で30カ国目となる。英BBCが報じた。
スイス政府と、国民党以外のすべての主要政党が支持している今回の合法化案は、昨年12月に議会で可決されていた。しかし反対派が合法化の阻止に動き、国民投票に必要な署名を集めた。投票前には、キリスト教会系団体や保守的な政党が、伝統的な家族の形を損なうとして合法化に反対した。支持者たちは今回の国民投票を、スイスのLGBT(性的少数者)の権利にとって歴史的なものとなったとたたえた。
同性婚が合法化されれば、同性カップルは血縁のない子どもを養子にできる。女性カップルが結婚した場合は、精子提供によって子どもを持てるようになる。合法化を支持する「イエス」運動を展開してきた組織のヤン・ミュラー氏は、「スイスにとって歴史的な日であり、同性カップルの平等にとっても歴史的な日だ。さらにLGBTコニュニティー全体にとっても重要な日だ」とAFP通信に話した。
カリン・ケラー=ズッター法相は、最初の同性婚は来年7月に成立するとの見通しを示した。一方、右派政党スイス国民党の政治家で合法化に反対しているモニカ・ルイガー氏は、子どもと父親が敗者だと述べた。(CJC)