カトリックのスイス人がプロテスタントの独少年合唱団で音楽指導者「トーマスカントル」に就任

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スイス人で、しかもカトリック教徒が、バッハが残した「遺産」を引き継ぐことなど可能だろうか? スイス・ソロトゥルン出身のアンドレアス・ライゼさん(46)が独ライプチヒの聖トーマス教会の音楽指導者「トーマスカントル」に昨年9月11日、就任したことで物議を醸した。就任から2カ月以上経って分かってきたのは、この重要な任務にはそうした背景を持つライゼさんこそが最適だということだ。スイス公共放送協会(SBC)の国際部がスイスに関するニュースを10カ国語で配信するメディア『SWI』(日本語)によって紹介する。

スイス人のライゼさんが、世界で最も有名なこの少年合唱団の指導者に就任したことは専門家の間では小さな驚きとして受け止められたが、ライゼさんにとっては夢の実現となった。このポジションに応募した理由は、母国にキャリアの展望が望めなかったからだったという。ライプチヒにある自身の事務室で取材に応じたライゼさんは「スイスにはそのような役職はない」と説明する。

「トーマスカントル」はプロテスタントの教会音楽で最重要ポジションだと考える人は多い。ライゼさんはこのポジションに就いた初のカトリック教徒であり、初のスイス人でもある。前任者はすべてプロテスタントのドイツ人だった。その中で最も著名なのがヨハン・セバスチャン・バッハ。バッハは「トーマスカントル」として、1212年に設立された合唱団を1722年から死去する1750年まで率いた。ライゼさんは、バッハの18人目の後継者。以前はスイス・ソロトゥルンの聖ウルス聖堂少年合唱団を指導し、バロック様式のヴァルデック城で行われるオペラ公演の音楽監督として名を馳せた。(CJC)

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