「終わりの日の災い」はイナゴのようにやってくる【聖書からよもやま話21】


皆様いかがお過ごしでしょうか。冷房をつけたまま寝てしまったら喉がガサガサになってしまったMAROです。皆様もお気をつけください。
今日も日刊キリスト新聞クリスチャンプレスをご覧いただきありがとうございます。

毎回、新旧約聖書全1189章からランダムに選ばれた章から心に浮かんだ事柄を、皆様の役に立つ立たないは気にせずに話してみようという【聖書からよもやま話】、今日は 旧約聖書、ヨエル書の2章です。それではよろしくどうぞ。


◆ヨエル書 2章2節

それは闇と暗闇の日。雲と暗黒の日。数が多く、力の強い民が、暁とともに山々の上に進んでくる。このようなことは、昔から起こったことがなく、これから後、代々の時代までも再び起こることはない。


ヨエル書はイナゴの大群によってユダ王国に飢饉がやってきたときに記された書で、世の終わりのことがイナゴになぞらえながら書いてあります。終わりの日にやってくる災いはイナゴのように突然やってきて、あらゆるものを食い尽くしてしまうぞと。でもそのあとで神様の恵みがあるからね、という話です。

現代日本ではあまり実感することはありませんが、洋の東西を問わず人類にとってイナゴはとんでもない災害です。突然やってきて空を埋め尽くし、せっかく作った食糧を根こそぎ食べて、去っていきます。ゲームの『三国志』をやったことのある方なら、それが災害としてどれだけタチが悪いかお分かりかと思います。台風や洪水は「治水」をすることで被害を食い止めることができますが、イナゴは何をしても防ぐことができません。どうにもならないんです、イナゴは。しかもいつ来るか予想もできません。そしてせっかくの食料を根絶やしにし、国の計画を崩壊させます。
イナゴ
ですからイナゴが「終わりの日の災い」にたとえられているということは、その災いは防ぐことも被害を食い止めることもできないし、いつ来るかも分からないし、しかも被害はとんでもなく甚大で、人間のあらゆる計画を崩壊させるのだから、その災いを生き延びるには、神様に頼るしかないのだぞ、ということです。

ちなみに、旧約聖書では基本的に虫の類は食べてはいけないと定められているのですが、例外的にイナゴは食べることを認められています。イナゴは災害であると同時に、貴重なタンパク源でもあったんです。イスラエルの人たちはどうやってイナゴを食べていたんでしょうね。醤油もみりんもないでしょうから日本みたいに佃煮にはできないでしょうし、塩焼きにでもしたんでしょうか。

それではまた。
主にありて。MAROでした。

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横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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