「霊的な読書」のために、回復すべきこと、獲得しなければならない技術がたくさんある。それは、最近の流行りの技術とは一線を画すものである。「霊的な読書」のために、ゆったりとした読み方を取り戻し、何度も繰り返し読む思慮深い読み方の技術を獲得しなければいけない。「霊的な読書」においては、「情報を得ること」が読書の第一目的ではない。「交わりを得ること」が、その第一目的である。哲学者へーゲルがかつてこう述べている。「霊的な読書とは、がつがつと食べるような読書ではない。逆に、薬用ドロップをしゃぶるようなものである」と。「霊的な読書」によって、わたしたちは知識となる情報を収集すると同時に、心を作り上げるために栄養を摂ることである。それは言葉の骨髄から真の栄養素を吸収することなのだ。
イエスの母は、これらのことを、深く、
彼女自身の心の中に留めておいた。
イエスは大人となり、肉体と精神において成長し、
神と人とに祝福された。
―― ルカによる福音書２章51ｂ～52節
＊引用される「聖書の言葉」はピーターソンさんの翻訳・翻案を訳したものです。
出典：ユージン・H.ピーターソン『聖書に生きる366日 一日一章』（ヨベル）