鼻で息をする者はいつか必ず死ぬ。もちろん口呼吸でもダメです。【聖書からよもやま話76】

主の御名をあがめます。

皆様いかがお過ごしでしょうか。MAROです。
今日もクリプレにおこしいただきありがとうございます。

毎回、新旧約聖書全1189章からランダムに選ばれた章を読んで、僕の心に浮かんだ事柄を、ざっくばらんに話してみようという【聖書からよもやま話】、今日は 旧約聖書、イザヤ書の2章です。それではよろしくどうぞ。


◆イザヤ書 2章22節

人間に頼るな。
鼻で息をする者に。
(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)


聖書はこの聖句で、人間に鼻呼吸でなく、口呼吸をしろと教えています。

・・・ごめんなさい。そんなわけはありません。聖書がここで言っているのは鼻でも口でも、呼吸をしなければ数分で死んでしまうような存在に、頼ってはいけないし、まして怖れてもいけないということです。頼るなら、怖れるなら、そんな儚い人間ではなく、神である私にしろと、神様は言っているんです。

生物は驚くほど複雑なシステムを持ち、美しく、素晴らしいものを生み出す者ですが、神様につくられた者にすぎませんし、いずれ死にますし、死ねば消えてしまいます。そのような、あまりに有限なものではなく、無限なる者に自らを委ねる方がよっぽど安心でしょ、というのが聖書のメッセージです。

ところで皆様、生物の定義ってご存知ですか?諸説あるようですが最も広く、多くの生物学者が認めている共通の条件は以下の3つだそうです。
(1)外界と物理的な仕切りで区別されていること
(2)代謝(物質やエネルギーの変換)を行うこと
(3)自分の複製を作る機能を備えている
この3つをすべて満たしているものが「生物」です。

そしてこの3つを満たしている存在「生物」は、いつか必ず死にます。

人間をはじめ、動物は皮膚や細胞膜で外界と区別されていますし、呼吸や飲食を通して物質やエネルギーの変換を行いますし、子孫を残す、つまり自分の複製を作ります。だから生物なんです。植物だって細胞膜が細胞壁に変わるだけで、呼吸を行いますし、子孫を残しますから生物です。そして動物も植物も、もちろん人間も、いつか必ず死にます。

しかし神様はこの3つの条件に合致しません。ですから神様は死にません。

故に、「鼻で息をする者に頼るな」というのは、「いずれ必ず消え去る存在に頼るな」ということです。あらゆる生命は呼吸なしには生きられません。つまり、呼吸するものはいつか必ず消えてなくなってしまうんです。

さてちなみに、口呼吸には風邪をひきやすくなるとか、虫歯になりやすくなるとか、酸素の摂取効率が落ちるとか、睡眠時無呼吸症候群の原因になるとか、様々なデメリットがありますから、口呼吸が習慣になっている方は鼻呼吸に直した方が良いと言われています。見えるところで例を挙げるとしたら、鼻には鼻毛があって、細かいホコリとか雑菌とかから身を守ってくれますけれど、口には口毛なんてないですし、そんなの生えてたら食事がまずくなりそうですよね。口呼吸はそれだけ無防備な呼吸だということです。

しかし、このコロナ禍で皆さんマスクをつけるようになって、口呼吸をする方がかなり増えているのだそうです。病気から身を守るためのマスクのせいで、無防備な呼吸になってしまったのでは本末転倒ですから、まだもう少し続きそうなマスク生活、鼻呼吸を意識するようにしたいと思います。

それではまた。
主にありて。
MAROでした。


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横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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