学校法人東京女子大学(東京都杉並区、安田隆二理事長)は、11月18日の理事会において、次期学長に森本あんり(もりもと・あんり)氏を選任した。茂里一紘(もり・かずひろ)現学長の任期満了に伴うもの。任期は2022年4月1日から4年間。
森本氏は1956年、神奈川県生まれ。79年に国際基督教大学教養学部を卒業した後、82年に東京神学大学神学研究科修士課程修了(神学修士)。86年まで日本基督教団松山城東教会牧師。91年にプリンストン神学大学院修了 (Ph.D.)。国際基督教大学(ICU)の大学牧師となり、97年に同大准教授を経て、2001年から教授。02年以降、プリンストン神学大学院、バークレー連合神学大学院で客員教授を務め、12年から20年まで国際基督教大学学務副学長。
専門分野は、神学、宗教学、アメリカ研究。1996年『ジョナサン・エドワーズ研究』(創文社)で第1回アメリカ学会・受賞清水博賞受賞。著書に『アメリカ・キリスト教史─理念によって建てられた国の軌跡』(新教出版社)、『アメリカ的理念の身体─寛容と良心・政教分離・信教の自由をめぐる歴史的実験の軌跡』(創文社)、『反知性主義─アメリカが生んだ「熱病」の正体』『反知性主義』(新潮選書)、『異端の時代』(岩波新書)、『キリスト教でたどるアメリカ史』(角川ソフィア文庫)など、共著、翻訳も含め多数。
森本氏は、米国の歴史や社会に詳しいことでも知られ、トランプ政権や、アメリカ社会で噴出する黒人差別、経済的な格差拡大などについてメディアでも広く発言している。東京女子大学では、長年にわたるわたる教育・研究分野での経歴に加え、豊かな行政経験をもつ森本氏を学長に選任し、今後、国際的な視点から更なるリベラル・アーツ教育の充実を目指し、本学の教育改革を進めていく予定だと話している。