「聴くドラマ聖書」18日から無料ダウンロード開始 記者発表会に大和田伸也さん、井上芳雄さんら

 

日本で初めての本格的なドラマ仕立てのオーディオ・ブック聖書アプリ「聴くドラマ聖書」の無料ダウンロードが18日から始まった(スマホのApp StoreGoogle Playストアから)。9月30日にベータ版を公開して、今回、本格リリースとなった。

それに先駆けた記者会見(日本G&M文化財団主催)が、GINZA SIX「ザ・グラン銀座」(東京都中央区)で開催された。同アプリで父なる神の声を演じた大和田伸也(おおわだ・しんや)さん、イエス・キリストを演じた井上芳雄(いのうえ・よしお)さん、福音書記者マタイを演じたつるの剛士(つるの・たけし)さん、創世記の父祖ヤコブを演じた六平直政(むさか・なおまさ)さんもゲストとして登壇した。

左からつるの剛士さん、大和田伸也さん、井上芳雄さん、六平直政さん

会見ではまず、広報担当者から「聴くドラマ聖書」リリースの背景が説明された。現在急増しているオーディオ・ブック・ユーザーに注目し、大河ドラマのような「聴く聖書」を制作したという。また、質にこだわったアプリを一人でも多くの人に聞いてもらいたいという思いから、ダウンロードは完全無料となっている。

聖書のテキストには、福音派で使われ始めた礼拝用聖書「新改訳2017」(いのちのことば社)を採用。有名俳優や声優150人、総配役数1300を超えるキャストが迫真の演技で聖書の世界を再現している。また、臨場感あふれるオーケストラによるオリジナルのBGMや効果音が場面を盛り上げる。

記者会見では、それを実際に体験してもらうため、一部が紹介された。モーセが杖(つえ)を上げて海を割るシーンや、イエス・キリストが嵐を静めるシーンなど、従来のオーディオ・ブックの域を超えた壮大なドラマに仕上がっている。

記者会見には一般メディアも集まった。

大和田さんは語る。

「私の父親がクリスチャンで、父のためにもこの出演を引き受けました。しかし、神をどう表現するかは非常に難しかったですね。膨大な量の旧約聖書を演じ終えるのに、毎日5、6時間ずつ、全部で1年弱かかりました。初めの頃はほとんど出ずっぱりでしたが、やがてほかのキャストが入るようになってホッとしました。ただ、そこで神であることを忘れると人間的な声に戻ってしまうので、気をつけなければなりません。たいへんでしたが、その反面とても面白かったです。常に人間に対する神の愛を覚えながら演じさせていただきました」

一方、プロテスタントのクリスチャン(日本バプテスト連盟教会員)である井上さんは、イエス・キリストを演じることに畏(おそ)れ多さを感じたと打ち明ける。

「最初、イエス様の役をどう演じていいのか分かりませんでした。それでも、神様が演じさせてくれるだろうと、すべてを預けて、毎回祈って録音を始めさせてもらいました。自分を超えたところで力が授けられたように思います。聖書に真剣に向き合えたことも大きな実りでした。アプリになって、一人でも多くの人に読まれることを願っています」

つるのさんも「アントニオ」という洗礼名を持つクリスチャンで、物心ついた頃からカトリック教会に行き、聖書は身近なものだったが、身近にありすぎて、この大役には戸惑ったという。

「どういう気持ちでマタイは福音書を記録したのかを考えながら読みました。納得がいかなかった時には、翌日に再度録音をお願いしたこともありました。聖書には生きる上でのヒントやいろいろなものが隠されています。どんなことがあっても神様は全部赦(ゆる)してくださるということを聖書を通して感じました。今はアプリで聖書に触れることができる素晴らしい時代なので、子どもたちにも聴かせてあげたいです」

聴くドラマ聖書

一方、秋田の浄土真宗のお寺に生まれたという六平さんは、これまで一度も聖書を読んだことがなかったと明かす。

「聖書は物語なんだと、今回初めて知りました。創世記でヤコブは数奇な運命をたどりながらも、偉大な功績を残し、『自分とはずいぶん違っているので大丈夫かな』と思いましたが、息子のヨセフが死んだと思って大泣きをする場面では、かなり感情を入れて演じました。聖書は絆(きずな)について語られていると思います。すごく古い書物だけど、そういう意味ではいちばん新しいのではないでしょうか」

会見では、大和田さんと六平さんがアフレコを再現する場面もあった。

 

この記事もおすすめ