ラグビーW杯を福音宣教の機会に 日本国際スポーツ・パートナーシップの岡澤元さんに聞く(前編)

 

9月20日に開幕した「ラグビー・ワールドカップ2019日本大会」。超教派でスポーツ伝道をしている日本国際スポーツ・パートナーシップ(JiSP=Japan International Sports Partnership、代表:米内宏明・日本バプテスト教会連合・国分寺バプテスト教会牧師)は、ワールドカップが開催される12都市(札幌、釜石、熊谷、調布、横浜、袋井、豊田、東大阪、神戸、福岡、大分、熊本)の伝道イベントをはじめ、さまざまな活動を行っている。

岡澤元さん

JiSP事務局(東京・お茶の水)の岡澤元(おかざわ・はじめ)さん(日本神の教会連盟・練馬神の教会会員)に、ラグビーW杯に向けた取り組みやJiSPについて話を聞いた。

──ラグビーW杯の開催にあたって、どのような活動をされていますか。

まずは南アフリカのルアン・ピナール選手、スコットランドのユアン・マレー選手など、現役のラグビー選手をはじめ、さまざまなスポーツ選手の信仰の証しとマンガ聖書「メサイア」を掲載した「スポーツバイブル・ラグビー版」(1冊100円の献金+送料)を制作して配布しています。

いちばん左が南アフリカのルアン・ピナール選手

また今回のW杯に合わせて、オーストラリア、フィジー、フランス、イタリアなど16カ国から、元ラグビー代表選手やコーチ経験者を含む宣教チームが来日しています。そこで、試合が行われる国内12都市を5つのゾーンに分けて宣教チームを受け入れていただき、各地域の教会や学校、クラブ・チームなどでラグビーのクリニックやフェスティバルなど、ラグビーに触れたことがない人や子どもたちも参加できるようなイベントを企画しています。信仰の証しをする時間も設けていますが、こうしたイベントを通して国際親善交流を楽しみながら、彼らの生き方や価値観をシェアしてもらうことでキリスト教に触れてもらえたらと考えています。

──JiSPの活動について教えてください。

日本福音キリスト教会連合(JECA)・本郷台キリスト教会牧師の池田恵賜(いけだ・けいし)先生が2014年、神様からビジョンをいただいたことをきっかけに発足しました。現在はおもに、米国を拠点に活動するFCA Japan(FELLOWSHIP OF CHRISTIAN ATHLETES)や国内外のスポーツ・ミニストリーと連携をとりながら活動しています。

スポーツも、音楽や芸術と同じように神様から与えられたものであり、神様の栄光を現すために用いることができると確信しています。現在描いているビジョンは、ラグビーW杯や東京オリンピック・パラリンピックなどのメガ・スポーツ・イベントを、福音を伝える機会として用いるだけでなく、次のオリンピックが開催される2024年に向けて、キリスト教界が10倍の祝福を受け、日本や世界の人々に10倍の祝福をもたらすことです。

ちなみに、自分が何かスポーツを行うだけではなく、観戦や応援も含めると、日本人の約70%が何らかのかたちでスポーツに関わっているといわれているんですね。この70%の人々に福音を届けるためには、教団や教派を超えた教会間のネットワークや、教会と地域との関係を強めることが重要です。

──ほかに、どのような活動を行っていますか。

教会と地域を結びつけることも使命の一つです。よく「教会には入りづらい雰囲気がある」という声を聞きますよね。そこで、「開かれた空間で誰もが楽しめるイベントを」という発想から、各地域の教会と協力関係を持って「オープンクラウド・フェスティバル」を行っています。そこには飲食ブースやフェイス・ペインティング、バルーン・アート、体を使って遊ぶゲームなど、いろいろなコンテンツが用意されていて、すべて無料です。訪れた人と楽しい時間を過ごしながら関係を築くことで、その人が地域の教会につながり、神様の愛に興味を持ってもらうことを願っています。

このほかには、クリスチャンのプロ・スポーツ選手に向けてチャプレンを派遣し、試合前に礼拝を持つなど、彼らを励ます活動や、チャプレンの指導にも力を入れたいと思っています。海外のスポーツ・チームには専属のチャプレンがいて、選手たちのメンタル・ケアを行っているというケースも少なくないんですよ。(後編に続く)

河西 みのり

河西 みのり

主にカレーを食べています。

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