WCC総会レポート 新議長にドイツ福音主義教会(EKD)元評議会議長

8月31日から9月8日まで、数千人のキリスト教徒がドイツの都市カールスルーエに集まり、世界教会協議会(WCC)の第11回総会に参加した。地元ドイツのホスト教会は、3500人以上の人々をカールスルーエの街に迎え入れた。週末には、ドイツ国内およびフランス、スイスで70以上のエクスカーションが企画された。開催都市では、200以上の文化・情報イベントが行われた。カールスルーエ市長フランクメントラップ氏が主催するレセプションに続いて、集会参加者はカールスルーエ宮殿での特別なショーに招待された。

若者の参加を増やす

総会は、グローバルなエキュメニカルな交わりへの若者の参加を増やすことを推奨した。集会は、12名の代議員と9名の顧問を含む38名の青年会員が署名した青年声明を受け取り、確認し、承認した。集会は、「WCCのすべての委員会、委員会、諮問グループ、参考グループへの若者の完全な参加の必要性と同時に、中央委員会や他の委員会に若者を推薦することに一部の加盟教会が明らかに消極的であること」を指摘して、WCC中央委員会に対応を付託している。

コロナ禍が与えた収入、働き方への影響

2020年から2021年におよぶコロナ禍の影響により、WCCの収入が減少し、働き方の適応につながった。「2008年の金融危機の後、2013年に釜山で総会が開かれたとき、収入の減少と年金基金の借り換えのための融資の両方が懸念された」「しかし、2014年の中央委員会によるWCC戦略計画の立ち上げにより、新しいサイクルが始まり、その間、顕著なレベルの安定した拠出が達成された」と報告書は述べている。

新しいリーダーシップが選出される

WCC中央委員会は、バイエルン福音ルーテル教会のハインリッヒ・べドフォルト・シュトローム氏を新議長に選出した。同氏はドイツ福音主義教会(EKD)の元評議会議長。中央委員会は2人の副議長に、ジャマイカバプテスト連合メルリンハイドリレイ氏と、アルメニア使徒教会・聖エチミアジン母院のヴィッケンアイカカジアン大主教を選出した。

9月8日に選出された執行委員は、女性48%、男性52%、聖職者80%、信徒20%、先住民8%、障害者4%、若者12%である。WCC第11回総会は、WCCの主要な意思決定機関である150人の中央委員会を選出した。

総会のメッセージ「ともに行動する呼びかけ」

総会の代表団は9月8日、発表したメッセージの中で「すべての人は、キリストの愛によって、戦争、不平等、被造物に対する罪に直面して、悔い改め、和解、正義に呼ばれている」と述べた。

「私たちは、キリストの愛に基づく一致から行動する力を見出すでだろう。それは、私たちが平和をもたらすものを学び、分裂を和解に変え、生きている地球の癒しのために働くことを可能にするからだ」

(翻訳協力=中山信之)

WCC総会レポート 気候変動、戦争めぐり四つの声明 2022年9月27日

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