カトリック高松教区(教区長:諏訪榮治郎司教)は1日、「聖週間の典礼について」という文書で、「過越しの三日間のミサを本年に限り非公開で行います」と通知した。
2月27日付の文書で、「主日のミサに集うことを控えたい」という方針を示したが、3月20日付の文書で、3月29日(四旬節第5主日)から主日ミサを再開すると発表した。そして、3月26日付「聖週間の典礼への参加にあたって」でもまだ「例年通りに行われる」としていたが、ここに来てその予定が変更された。その理由として、「新型コロナ・ウイルス感染が広がり、私たちも感染を受ける可能性や感染源となる可能性は避けることができないからです」と述べ、「私たちの社会的責任を踏まえた苦渋の決断です」と理解を求めた。
高松教区が管轄する四国4県(香川県、徳島県、愛媛県、高知県)のうち、高知県に21人、愛媛県に12人、徳島県に3人、香川県に2人の感染者が確認されている。
「聖週間の典礼について」の全文は次のとおり。
教皇庁典礼秘跡省からの教令を受けて、高松教区での2020年度における聖週間の典礼について検討した結果、高松教区においては以下のように聖週間の典礼を行うこととします。
①復活祭は典礼暦年全体の中心であり、単なる祝日ではありません。しかし、高松教区としては、過越しの三日間のミサを本年に限り非公開で行います。新型コロナ・ウイルス感染が広がり、私たちも感染を受ける可能性や感染源となる可能性は避けることができないからです。私たちの社会的責任を踏まえた苦渋の決断です。司祭方は、過越の三日間の典礼祭儀を信者の物理的参加がない状態で祝うことにいたします。典礼の準備も司祭たち同士でいたしますので、信徒の奉仕者も必要はありません。
②聖堂に集うことはできませんが、信徒の皆さまは、どうぞご自宅で、ミサの時間に合わせ、ミサを捧げる神父さま方と心をともにし、祈りのひと時、聖なる時間を持ってください。インターネットを使える方は、東京教区がネットでミサの様子を配信するようなので、それを視聴しながら心をともにすることもできます。ネットのない方は、福音書を用いてイエス様の受難への歩みを心で味わい、また、ロザリオを用いて黙想されるのもできます。過越しの三日間のミサに与れないことの淋しさを通して潜伏キリシタンの信仰生活を追体験することもできるでしょう。
③洗礼や改宗を準備されている方にとってはつらい日々となっていますが、入信式や改宗式は各小教区で復活祭後に検討するようお願いします。
④コロナ・ウイルス感染の状況が変化するので、教区としての対応も変化せざるを得ません。教区の方針や情報は、できるだけ速やかに教区ホームページに載せます。ご利用ください。
⑤コロナ・ウイルス感染拡大の状況における「赦しの秘跡」については、次ページをご覧ください。
◎復活の主日(祭日)も、復活徹夜祭と同様です。受難の主日(枝の主日)も非公開のミサといたします。
聖週間をまじかに、高松教区での「赦しのめぐみ」について
・基本的に通常の「個別の赦しのめぐみ」を想定しております。いつでもこの秘跡に近づくことができます。ただし、秘跡執行司祭および秘跡を受ける方は、感染への注意を十分に払ってください。具体的には、通気の良い場所、適切な距離を保ち、マスクを着用するなどです。
・多人数への共同の赦し(一般赦免)は、死の切迫がないかぎり、また個別に聴く時間のない場合以外これを与えることはできません。一般赦免を適切に行う重大な必要性が認められる事態においては、教区司教が指示をいたします。
・赦しの秘跡を受けることのできない状況にある信者が、完全な痛悔の念、赦しを願う思い、また赦しの秘跡を受けることを強く決意した場合、赦しが与えられることを覚えておいてください。(カトリック教会のカテキズム 1452項)
・参列者不在の中でも(非公開の御ミサ)、司祭は日々ミサを捧げております。十字架における主の死と復活の恵みが毎日捧げられています。司祭と心を合わせ、主の恵みに感謝をささげつつ、この危機に日夜尽くしておられる方々への協力をお祈りいたしましょう。