独カトリック司教協議会が声明で極右政党を批判 「民族主義とキリスト教は相容れない」

Von Spurzem – Lothar Spurzem – Eigenes Werk, CC BY-SA 2.0 de, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7703942

ドイツ国内では「教会」と「政治」の関わりにおいて、分断とも取れる揺らぎが生じている。ドイツ紙「ディ・ヴェルト」が報じた。

ドイツのカトリック司教協議会は声明の中で、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に対し「彼らはキリスト教の持つ神と人間のイメージとは相容れない民族主義に支配されている」と批判した。

AfDは2013年、ベルリンで反EUを掲げて設立。移民排斥などの自国中心主義的な政策を掲げ、その過激な言動から連邦憲法擁護庁によって右翼の過激派の疑いがあるとして監視を受けている一方、2017年に行われたドイツ連邦議会選挙においては94議席を獲得して野党第一党になるなど一定の影響力を有している。

AfD関係者、支持者の中にはクリスチャンもいること、また直接的に関係していないものの、昨今主張を強めている右派的な自国主義の潮流に対し、今回ドイツのカトリック司教協議会が見解を示した形となった。

2月中旬、アウクスブルグで開かれた会議において「民族的ナショナリズムとキリスト教は相容れない」と題する声明を発表し、「人間の尊厳と人権が脅かされる時、私たちすべての人は抵抗しよう」と右派による民主主義への攻撃へ抵抗するよう呼びかけた。

アウクスブルクの会議に出席した59人の司教たちは、右翼過激派政党やこうしたイデオロギーの周辺に横行する政党について「キリスト者の政治活動の場とはなりえず、また選挙権もない」と宣言。さらに連邦憲法擁護局によって、少なくとも部分的には「右翼過激派であることが証明されている」と見なされた政党に投票する者は、ドイツにおける人間同士の共存と民主主義の基本的価値観に反対することになると指摘した。

ドイツ司教協議会議長のゲオルク・ベッツィング・リンブルク大司教=写真=は、全体会議の終盤、この宣言について「単に空から降ってきたわけではない」と述べた。実際、すべての文章を参加する司教全員が支持するまでには多くの時間を要したという。

また「AfDを支持するかどうかは個人の良心による決定である」と強調した上で、「人種差別的で右翼的な過激思想を表明する者は、教会の役職に就くことはできない」と加え、この問題については「政治的見解の違いではなく、人間観の根本的な違いである」とし、それらを踏まえて今後も議論や対話は避けるべきではないと締めくくった。

(翻訳協力=福島慎太郎)

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