警告!!ワクチン接種がもたらす副作用と差別 【アメリカのコロナ病棟から 関野和寛のゴッドブレス】第11回

アメリカのコロナ隔離病棟担当の聖職者として働き出して約半年、毎日全身防護服に身を包み、コロナ患者の心のケアを行い続けてきた。年末12月末にようやく私もファイザー社の新型コロナワクチンを接種することができた。そして、3週間後には2回目のワクチンを受け終わった。これから日本でも徐々にワクチン接種が進んでいくが、私はワクチンとその副作用をめぐり、日本で混乱、パニック、差別が起きると予測する。実際、統計どおり、私は2回目のワクチン接種の後に大きな副作用に襲われた。次の日は倦怠感から起き上がることが困難なほどであった。その次の日からは職場に復帰したが、数日後から毎日行っている30分のジョギングでも10分ほどで息が上がり、頭痛が始まってしまような状況であった。そのような何となくいつもと違う不調が1週間ほど続いた。

歌舞伎町ホストクラブ「愛」本店にて @Hidemi Ogata

特に40代、50代の同僚たちは副作用が強く出ており、4日間寝込んだ者もいれば、次の日に平衡感覚がなくなる者もいた。だが、逆に60代以上の者たちはほとんど副作用が出ていなかった。いずれにせよひと言で予防接種と言っても、インフルエンザ予防接種と副作用がまったくもって違うのだ。だからこそ、特に副作用が出やすい新型コロナワクチン2回目の接種の次の日は、仕事や家事を休めるようにしておく必要がある。また職場、家庭内の摂取日をずらす工夫もしてほしい。そして何より今まで経験したことのない副作用に混乱し、その副作用のために病院に受診に行ってしまったり、問い合わせの電話をしてしまい、さらに医療現場が逼迫する可能性が大いにある。

日本で行われたあるアンケート調査では、「周りの様子を見てからワクチンを受けたい」という考えの人々が非常に多かった。そして、この姿勢とメディアが流す情報が合わさり、人々に混乱が巻き起こるのではないかと思う。他のワクチンと違う副作用ばかりが大袈裟に報道されたり、また有名人や政治家が我先に接種をしたという噂や妙な陰謀論も流れるであろう。そしてそのような混乱が落ち着き、多くの人々が接種を完了しても、主義や心情、体調不安から予防接種を受けない人々がいるはずだ(アメリカではアフリカ系の人々が医療不信や信条により受けないケースが多くある)。そして今度は、受けていない人々を「近寄るな!」と細菌扱いし、遠ざける差別も生まれる可能性がある。歴史の中で社会不安になると人々は往々にしてパニック状況に陥り、そして差別主義に陥ってしまうのだ。

この2021年、ウィルスとの闘いはまだまだ続いていくだろう。そして残念ながらワクチンは、この闘いの特効薬にならないと私は感じている。そして本当に戦うべき相手はウイルスではなく、自分の中に存在する不安や恐怖を誰かにぶつけ、叩き、差別する己の弱さなのではないだろうか。

【生配信】アメリカコロナ室最前線から。ワクチン「副作用」と「差別」

 


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コロナが破壊した上部のクリスマス 【アメリカのコロナ病棟から 関野和寛のゴッドブレス】第10回

関野和寛

関野和寛

せきの・かずひろ キリスト教会牧師(プロテスタント・ルター派)。東京生まれ。青山学院大学、日本ルーテル神学校を卒業後、香港ルーテル神学校牧会宣教博士課程で学ぶ。2006年から14年間、歌舞伎町の裏にある日本福音ルーテル東京教会の牧師として働く。教会の枠を超えて堅苦しいキリスト教の雰囲気を壊し、人々に日常の場で赦しや愛を伝えるためにあらゆる場所に出向き講演やロックライブをする。米ミネソタ州ミネアポリスのコロナ病棟での修業を経て、帰国後は在宅医療・ホスピスチャプレン、ルーテル津田沼教会牧師として働く。

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