「家庭の事情」は今も昔も難しい【聖書からよもやま話271】

主の御名をあがめます。

皆様いかがお過ごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は旧約聖書、民数記の36章です。よろしくどうぞ。

民数記 36章7節

イスラエルの子らの相続地は、部族から部族に移してはならない。イスラエルの子らは、それぞれその父祖の部族の相続地を堅く守らなければならないからである。(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

イスラエルの各部族には、神様から与えられた土地がありました。しかし、今も昔も相続問題というのは複雑になりがちなもので、結婚やら何やらによって、土地をもともとの部族が手放さねければならないことが生じたりしました。たとえば当時は基本的に男子から男子へと土地が相続されたのですが、男の子がいない場合は妻にも相続されました。その時に、その妻が別の部族出身だったりすると、土地の所有権が部族から部族へと移動するようなことが生じたんです。そこで神様は、相続地を部族から部族へ移してはならないと命じました。そのために、結婚は同じ部族同士でしかしてはいけないということも命じました。

神様から守れと命じられたものを、結婚や相続などの人間側の理由で手放してはいけないということです。現代のクリスチャンが神様に守れと命じられているものは信仰や礼拝です。それまで忠実にそれらを守っていた人が、結婚・子の誕生・両親や親族の死など、さまざまな家庭の事情を機にそれをあまり守らなくなってしまうことは、残念ながら少なくありません。
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「パートナーの実家が別の宗教だから」とか「子どもの習い事や学校の行事があるから」とか、様々な理由がありますし、それを僕が責める気はありませんし、責めることなんてできるわけもありません。僕自身もまたそのような者だからです。父の死をきっかけに忙しくなり、コロナ禍もあり、健康上の理由もあいまって以前より礼拝を守れないことが増えました。しかしそれらはあくまで人間側の理由です。神様からこれを守れと与えられたものを、人間側の理由で守れなくなってしまうことは良くないことです。

動物は子が生まれたり親が死んだりしても基本的にそのライフスタイルは変わりません。もちろん子育てはするので生活は変わるところもあるでしょうが、原則として彼らは何があっても同じライフスタイルで生きます。「家庭の事情」でそれを変えたりはしません。しかし人間はさまざまな「家庭の事情」によりライフスタイルが変わります。ライフステージが変わるとも言えるのかと思います。人間だけが「家庭の事情」によって自分の生き方が根本から変わってしまうんです。しかし神様はそんな人間に、一番大切なものを預けて、それを守るように命じました。

神様から預かったものを守り通すこと、これは思う以上に難しいことです。それをきちんとできるような者につくり替えてくださるよう、神様に祈りたいと思います。

それではまた明日。

主にありて。
MAROでした。

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横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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