彼らは、使徒の教え、相互の交わリ、パンを裂くこと、祈ることに熱心であった。(使徒言行録2章42節)
今日の聖句は、始まったばかりの教会の働きを伝える。「使徒の教え」は、主イエス・キリストについての使徒たちの宣教である。使徒たちは、主イエスの生涯、その教えと働き、十字架の死と復活によって成し遂げられた神の救いの証人である。新約聖書は使徒たちの証言であり、教会の信仰は「使徒や預言者という土台の上に建てられて」(エフェソ2・20)いる。
教会は信仰によって主イエス・キリストと結ばれた者たちの「相互の交わり」である。初代教会は、神殿に行って祈りの時間を守ったが、主の日には、家ごとに集まって、「パンを裂くこと」を行った。パン裂き、すなわち「主の晩餐」(Iコリント11・20)によって、教会は絶えず、救いと信徒相互の交わりの根拠が主イエスの贖(あがな)いの恵みであることを想起して、神を礼拝する。
教会は「祈ることに熱心であった」。教会は人間を相手にする集団であり、天に国籍があり、神に通ずる天の窓を持つ集団である。教会は「祈りの家」(マタイ21・13)である。
初代エルサレム教会の信徒たちは、「すべての物を共有にし」(44節)ていた。信仰によって富の私物化から解放された信徒たちは、主のため、また貧しい兄弟姉妹のために、富を共有するようになった。このようにして、教会は「神を賛美していたので、民衆全体から好意を寄せられた。こうして主は救われる人々を日々仲間に加え一つにされた」(47節)。今日の教会は初代教会の働きを継承している。教会の働きは、宣教、礼拝、教育、交わり、祈り、奉仕である。教会は、これらの働きを通して、神を賛美し、人々に主を証しする。