「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」(主催:メトロポリタン美術館、日本経済新聞社ほか)が大阪と東京で開催される。世界三大美術館のひとつで、創立150年の歴史を持つニューヨーク・メトロポリタン美術館から、西洋絵画コレクションの名品65点(うち46点は日本初公開)をまとめて紹介するかつてない展覧会となる。
来日するのは、ラファエロ、ティツィアーノ、カラヴァッジョ、ジョルジュ・ド・ラ・トゥール、レンブラント、フェルメールから、マネ、モネ、ルノワール、ゴッホまで、誰もが知る画家たちの珠玉の名作ばかり。作品をとおして、ルネサンスから19世紀まで、西洋絵画史500年の流れをたどる。
メトロポリタン美術館は、米国ニューヨーク市マンハッタンにある世界最大級の美術館。古今東西問わずあらゆる時代、地域、文明、技法による作品を収集していることで知られ、尾形光琳や伊藤若冲など日本美術の代表作も数多く所蔵されている。今回はその膨大なコレクションの中の西洋絵画2,500点余りから選りすぐりの作品が来日する。
中でも注目を呼びそうなのが、日本でも人気の高いヨハネス・フェルメールの晩年の作品「信仰の寓意」だ。キリストの磔刑図の前で、地球儀に足をかけ胸に手を当てた女性を、特定の誰でもない信仰の寓意像として描き、その周りには、リンゴやヘビなどキリスト教に関係するモティーフが数多く描き込まれている。また、聖杯や十字架などがカトリック信仰をあらわすことから、この作品は、当時のイエズス会信徒から注文されたものでないかといわれている。
そのほかにも、カラヴァッジョ(本名 ミケランジェロ・メリージ)「音楽家たち」、ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 「女占い師」 、オーギュスト・ルノワール「ヒナギクをもつ少女」など美術ファンなら心躍るような豪華な作品が勢ぞろいする。
コロナ禍の中、昨年は、予定していた美術展も次々に中止され、多くの美術ファンをがっかりさせたが、それだけに今回の展覧会には大きな期待が集まっている。
【大阪会場】
会場:大阪市立美術館(大阪市天王寺区茶臼山町1ー82)
会期:2021年11月13日(土)〜2022年1月16日(日)
主催:大阪市立美術館、メトロポリタン美術館、日本経済新聞社、テレビ大阪
【東京会場】
会場:国立新美術館(東京都港区六本木7ー22ー2)
会期:2022年2月9日(水)〜5月30日(月)
主催:国立新美術館、メトロポリタン美術館、日本経済新聞社ほか
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