いのちのことば社伝道グループの直営店「ライフセンター新潟書店」(新潟市中央区)は、同盟基督教団・新潟福音教会(下川羊和主任牧師)内に1976年に開店して以来、40年以上にわたって文書伝道を続けてきた。現在店長を務める永井美智代(ながい・みちよ)さんに話を聞いた。
────以前は、白山浦(はくさんうら)にあったということですが、こちらにはいつ移られたのですか。
1999年です。白山浦では教会内にあったのですが、新潟福音教会がこちらに移る時に新しい店舗を建てました。営業赤字がかさみ、お店を閉める話が出たこともありましたが、地域の教会から続けて欲しいという要望が多く寄せられ、支援の輪が広がり続けてくることができました。
────キリスト教関連の書店は、教会の一画というところが多いのですか。
豊橋書店が教会内にありますが、それ以外はビルの中などに店舗を構え、1つの教会との関わりの中での運営ということではないと思います。うちのお店は、新潟福音教会に建物を借り受けているという形ですので、そういう意味では新潟福音教会とのつながりが強いですが、それだけではなく、近くの教会、牧師先生方にも支えていただき運営しています。
────いつ頃から店長をされているのですか。
30年くらいになります。白山浦にあった時からです。
────書店とかかわった経緯を教えてください。
私は新潟福音教会で救われたのですが、本が好きだったので、教会のすぐ横にあるライフセンターにはちょくちょく通ってました。その頃、店長をされていた教会員の女性が献身することになり、私に店長を引き継がないかと声をかけてくれたのです。私の実家は、私以外クリスチャンではないので、親はそういうところで働くと、献身してしまうのではないか、そんなにのめり込まなくとも・・とすごく心配したんです。そういう親の気持ちもよく分かるので、どうしたらいいか迷っていました。
────決めたきっかけはなんですか。
その頃、クリスチャンの青年大会などに参加する機会があり、皆で祈りあった時に、文書伝道の働きをとおして献身したいというビジョンが与えられました。それで、自分の中にある悩みに整理をつけて、書店で働くことを決めました。ただ、その頃新しい職場に移ったばかりだったので、すぐには辞められないということで、1年間は他の教会員にお店に入ってもらい、その後勤めるようになり、今に至っています。クリスチャンになってから1年後のことで、前の店長がどうして私に声をかけたのか未だに分かっていません。
────キリスト教書店と一般書店との違いは何でしょうか。
第一に、文書伝道ということです。来店されてキリスト教に関する本や雑誌を買っていただく以外にも、伝道のための情報を皆さんに伝えるという役割もあると思っています。今はインターネットで調べればすぐに見つけられますが、ネットでは自分の求めたものしか探せません。でも、ここで思ってもみなかったものに出会うことがあります。神様の導きの場かなと思いながやっています。
────クリスチャンでない人も利用されますか。
たまにいます。聖書を購入したくて、ネットで売っているところを探したらここに辿(たど)りついたとか。ただ、ここは住宅街で、前を通るのは付近の住民がほとんどなので、一般の人というよりも、クリスチャンに向けてのお店かなと思います。ですので、クリスチャンのお客さんがこの店で、ノンクリスチャンの友達に「これをあげたい」というものを見つけ、その人をとおして、福音のかけらを届けてもらえたらと願っています。
────どんな本が売れますか。
慰(なぐさ)められる本がやはり売れますね。良い本はたくさんあるのですが、いい本は売る側が伝えていかないと見つけてもらえないので、売上ベスト10などを貼り出したり、「らいふだより」を発行して、情報を提供しています。
────どんな本がいいかとか相談は受けますか。
そういう相談は本当にうれしいです。適切なものをいつも言えるわけではありませんが、たとえば、イエス様のことを知らない人にどういう本を贈ったらいいかとか、相手のことを思いながら一緒に探すのはとても楽しい。
────今後のビジョンを教えてください。
細々とでも、ここがずっと残って欲しい。書店の経営はどこも本当に厳しく、特に地方の書店はどんどん閉めています。いのちのことば社の直営店も、私が入社した30年前は、全国に20店舗くらいあったのですが、今は半分以下になっています。その中でも小さいお店ですが、地域の教会のステーションと言ったような、情報発進と、皆さんがふらりと寄れるような場所になれたらと思います。
新潟ライフセンターの営業日は火・木・土。営業時間は、午前11時~午後6時まで。詳しくはこちらまで。