21年ぶりの日本聖書協会の総主事交代 渡部信氏から具志堅聖氏へ

 

日本聖書協会(東京都中央区)の総主事引継式が13日、日本基督教団・銀座教会(同)で行われた。21年間にわたって総主事を務めた渡部信(わたべ・まこと)氏に代わり、具志堅聖(ぐしけん・きよし)氏が第10代総主事に就任した。

渡部信氏(左)と具志堅聖氏

渡部氏は、これまでの支援に対して感謝を伝えるとともに、次のように語った。

「日本聖書協会の使命は、事業として聖書の普及活動を継続・推進することであり、それはイエスが語られたぶどう園で働くプロの労働者の使命だと理解しています。

日本聖書協会の素晴らしさは、国内のみならず、世界145カ国に同労者がいて、他団体では経験できない世界宣教の働きを担い続けているということです。

ただ、このようなグローバルな働きの中にはさまざまな試練もあり、今日ほど、良いことにも悪いことにも影響を受けている時代はありません。私自身も日本聖書協会も幾度も危機的状況に遭遇してきました。

渡部信氏

しかし、そのたびに神様が救いを与えてくださり、事業を継続・拡大することができました。イザヤ30章21節にはこのような御言葉があります。

あなたが右に行くときも、左に行くときも
あなたの耳は、背後から
「これが道だ、ここを歩け」と語る言葉を聞く。(聖書協会共同訳)

これは素晴らしい神様の約束です。神様はいつも私たちの後ろで『これが道だ、ここを歩け』と教えてくださる。

聖書協会の働きは、このように神様が応援してくださるのですから、決して消滅することなく、今後も存続していくことを心から信じています。新しく就任する具志堅総主事を中心に、これから出発する聖書協会の働きのために、皆さまのご支援と祈りをお願いしたいと思います」

具志堅聖氏

また、具志堅氏はこのように就任挨拶(あいさつ)をした。

「日本聖書協会はエキュメニカル団体として、教派・教団を超えての協力関係をベースにした聖書翻訳事業と普及を大切にしてきました。SDGs(持続可能な開発目標)という視点で日本のキリスト教界を考えると、取り組むべき課題の一つが、日本のキリスト教会の永続性です。聖書協会はエキュメニカルな働きの中で、そのことに寄与する働きが出てくると思っています。そのためにキリスト教会の連帯と具体的な相互協力の促進を、今後、大切な一つの目標に掲げたいと思っています。

私の世代以降の方々に大切なものを受け継いでいくためにも、神さまから御言葉と知恵をいただき、変えてはいけないものと変わらなければならないものとを見極めて取り組んでいきたいと願っております。今後ともよろしくお願いいたします」

具志堅氏は1965年、沖縄県生まれ。幼い頃からカトリック教育機関でキリスト教に触れ、学生時代にカナダに移住し、国籍を取得。また洗礼も受けて、北米のノースウェスト神学校、リージェント・カレッジ、ルーサー・ライス神学校などで学んだ。日本ではウェスレアン・ホーリネス教団、米国ではキリスト合同教会に所属し、牧会・伝道に携わる。2002~11年には、日本福音同盟(JEA)の総主事を務めた。その後、ハワイにあるマキキ聖城キリスト教会で牧師をし、17年に同協会の副総主事に就任した。

渡部氏は1948年、東京都生まれ。青山学院大学神学部神学科、西南学院大学神学部専攻科、米ベイラー大学大学院宗教学部(宗教学M.A.)などで学んだ。78年に牧師按手礼を受け、82年から日本バプテスト連盟牧師として牧会・伝道に従事する。98年に同協会の第9代総主事に就任し、聖書協会世界連盟理事も務めた。ほかに、同連盟・常盤台バプテスト教会協力牧師、日本キリスト教協議会(NCC)議長、キリスト教視聴覚センター(AVACO)理事長、青山学院評議員。著書に説教集『イエス・キリストに出会う──常盤台バプテスト教会の講壇から』(ヨベル)がある。教文館社長の満氏は実弟。

 






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