イエスの「神の国」のイメージ
ユダヤ主義キリスト教への影響史
大貫 隆著
四六判・366頁・定価4950円・教文館
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イエスの内面を描き出す壮大な試み
〈評者〉山田耕太
大貫隆先生は主著『イエスという経験』(岩波書店、二〇〇三年。独訳二〇〇六年、英訳二〇〇九年)で、イエスの内面にあるイメージ・ネットワークを一気に描いた。続く『イエスの時』(岩波書店、二〇〇六年)で、その背景をユダヤ教黙示思想に遡り、パウロとの関連を指摘し、ベニヤミンの思想と対話して現代的意味を問うた。また『終末論の系譜』(筑摩書房、二〇一九年)では、新約聖書神学のスタイルで終末論に焦点を絞って、イエスの「神の国」思想をユダヤ教黙示文学から新約聖書を経て二世紀のキリスト教へ展開していく文脈に位置づけた。
本書の第Ⅰ章「私のイエス研究」で以上の三書の関連を明らかにして、第Ⅱ~Ⅳ章で『イエスという経験』『イエスの時』に加えてイメージ・ネットワークの網目を繕い、第Ⅴ~Ⅵ章で『終末論の系譜』を補う議論を展開する。
第Ⅱ章「死人たちには未来がある」(マタ八21─22/ルカ九59─60)では、、、
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