福音館書店70周年記念フェア『ぐりとぐら』複製原画展 奈良 蔦屋書店で開催中

奈良 蔦屋書店(奈良県奈良市)は、福音館書店70周年を記念して、長く読み継がれ多くの人々に愛されてきた『ぐりとぐら』の複製原画展(主催:奈良 蔦屋書店)を開催している。1月9日(月)まで。

写真:福音館書店

「ぐり ぐら ぐり ぐら」……。青と赤のつなぎと帽子がトレードマークの、ふたごの野ねずみ「ぐり」と「ぐら」。1963年に、雑誌「母の友」で、読み切りのおはなしとして登場した。その時のタイトルは『たまご』だった。同年12月には、月刊絵本「こどものとも」(93号)で絵本『ぐりとぐら』が登場し、「ぐり」と「ぐら」はたちまち人気者となり、ふたりのつくった黄色い大きなカステラは、今も昔も子どもたちの憧れだ。

そんな『ぐりとぐら』を生み出した福音館書店(東京都文京区)が2022年2月に70周年を迎えた。福音館書店は、1916年、カナダ人宣教師が石川県金沢市に設立したキリスト教関係の図書を扱う書店が源流。その後、その書店を賀川豊彦の伝道を手伝っていた佐藤喜一が経営を引き継ぎ、1952年に正式に福音館書店が発足した。昨年11月に召天した松本直さんは、発足当時の編集長(68年に社長に就任)で、『ぐりとぐら』などを世に送り出し、児童書の出版社としての福音館書店の礎を作った人物でもある。

奈良 蔦屋書店 2F天平ギャラリー(写真:奈良 蔦屋書店)

記念フェアが開催されている奈良 蔦屋書店は、2020年4月にコロナ禍にオープンした。奈良県コンベンションセンター内にあり、 Book&Cafeを中心とした居心地の良い空間で奈良の魅力を伝えている。同書店で記念フェアが開催されることになったのは、幼い頃から福音館書店の絵本に慣れ親しんできた同書店キッズコンシェルジュの田畑陽子さんが、福音館書店の担当者と絵本への思いをいろいろ話す中で、「『ぐりとぐら』の複製原画展をやってみますか?」と提案されたのがきっかけとなっている。

田畑さんは、同書店でキッズコンシェルジュとして、絵本、児童書を担当し、売り場づくり、フェア、イベントなどを企画している。子どもの時からいつもそばに福音館書店の絵本があり、思い出の絵本のほとんどは福音館のものだという田畑さん。特に「ぐりとぐら」はお気に入りで、当時の「ぐりとぐら」の月刊誌を今も大事に持っているほどだ。

フォトスポット。手前の帽子は田畑さんの手作り。(写真:奈良 蔦屋書店)

今回の記念フェアでは、福音館書店がちょうど70周年ということにも注目し、会場も少し広いギャラリーを使用して、「複製原画展」と同時に福音館書店の人気の絵本を一緒に展開しようということになった。さらに、昨年9月に帰天した「ぐりとぐら」のイラストを描いている山脇百合子さんのコーナーも設けられている。

田畑さんは記念フェアについて次のように話す。

企画しているときは、まだ山脇百合子さんがご逝去される前でしたので、亡くなるとは思っていませんでした。会場に大きく出して表記はしておりませんが、追悼の思いも込めて、山脇百合子さんの書籍、イラストを手掛けられた食器なども展開しております。また、ぐりとぐらのたまごのくるまの大きなパネルも設置し、ぐりとぐらのぼうし(私の手作りですが・・・)を置き、フォトスポットも作りました。

福音館書店の世界と「ぐりとぐら」の世界を皆様に楽しんでいただければ嬉しいです。

『ぐりとぐら』複製原画展 ~福音館書店70周年記念~
会期:1月9日(月)まで
時間:午前8時〜午後11時
場所:奈良 蔦屋書店 2F天平ギャラリー
問い合わせ先:奈良 蔦屋書店 代表番号0742-35-0600
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