配達員2人がスケジュールをめぐって訴訟を起こすなど、24時間365日体制の経済の中で、安息日を守るクリスチャンはますます反文化的な存在になっている。「クリスチャニティー・トゥディ」が報じた。
かつて日曜日になると郵便受けは空っぽになったものだ。しかし、今日では違う。アメリカ最大の小売業者であるAmazon(アマゾン)は週7日出荷しており、全米で日曜配達を拡大するにつれ、安定した休日を失うドライバーが増えている。
多くのドライバーにとって、このシフトは休みが平日になることを意味するだけだ。しかし、クリスチャンの中には、日曜日の教会での礼拝や安息日には働かないという信念と、この新しい配達オプションが相反する者もいる。アマゾンの週7日制は、日曜日に働かないことを理由に解雇されたドライバーから、すでに2件の訴訟を引き起こしている。いずれも、雇用主が他の日に働くための「合理的配慮」をしなかったとして、市民的権利に関する法律第7編に基づく宗教差別を訴えている。
フロリダ州のケースでは、安息日を遵守するクリスチャンがアマゾンで契約している配達サービスの仕事を失い、雇用機会均等委員会(EEOC)が彼の代理人として訴訟を開始。彼は5万ドルの和解金を獲得し、元の会社であるタンパベイ・デリバリー・サービスは宗教的感度に関するトレーニングを受けることになった。
一方、ペンシルバニア州の郵便局員は、昨年連邦地裁で郵便局側に有利な判決を受けた後、控訴審裁判で審理中である。
ジェラルド・グロフ氏は福音主義のクリスチャンで、2012年に地方の郵便配達人として働き始めた。需要に応じて休日や週末のルートを回るパートタイムの仕事である。勤務していた局がアマゾンと日曜配達の契約を始めた後、彼は別の地方局に異動した。そちらも日曜ルートを開始すると、彼はスケジュールを調整して日を入れ替えようとしたが、結局、2017年と2018年に24回の日曜出勤日を欠勤し、2019年に解雇された。
先週、グロフ氏の弁護団は彼のために口頭弁論を行い、郵便局が彼の信仰を理由に差別したと訴えた。
宗教差別の苦情が10年ぶりの低水準に
ペンテコステ派、エホバの証人、イスラム教徒など、職場適応の問題は根強く残っている。トレド大学法学部名誉教授のハワード・フリードマン氏は、自身のブログ「Religion Clause」で、合理的配慮を求めるケースが増え続けていることを紹介。セブンスデー・アドベンチストと正統派ユダヤ教徒は、土曜日に休息と礼拝をするという信念のため、一般的な仕事のスケジュールと矛盾するため、宗教的配慮のケースでしばしば取り上げられるようになった。
「歴史的には、仕事のスケジュールや休日は、キリスト教(あるいは少なくとも主流派プロテスタント)の宗教的・休日的スケジュールや習慣と一致する傾向があった」と彼は言う。「最近では、年中無休の経済に移行したため、日曜日の勤務スケジュールが一般的になり、以前は主に少数派宗教が感じていたような葛藤をクリスチャンに与えている」
(翻訳協力=中山信之)