最高級肉は神様のもの。他の誰にも食べさせてはいけません【聖書からよもやま話90】

主の御名をあがめます。

皆様いかがお過ごしでしょうか。MAROです。
今日もクリプレにおこしいただきありがとうございます。

毎回、新旧約聖書全1189章からランダムに選ばれた章を読んで、僕の心に浮かんだ事柄を、ざっくばらんに話してみようという【聖書からよもやま話】、今日は 旧約聖書、出エジプト記の32章です。それではよろしくどうぞ。


◆出エジプト記 32章6節

彼らは翌朝早く全焼のささげ物を献げ、交わりのいけにえを供えた。そして民は、座っては食べたり飲んだりし、立っては戯れた。
(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)


たまたまですが、昨日に引き続いて今日もバーベキューのシーンです。今日のバーベキューは、昨日お話ししましたソロモンの大バーベキュー大会よりも何百年も前、モーセの時代に行われたバーベキューです。このバーベキューもかなり盛り上がったようで、これをみたヨシュアは「民が暴動を起こしている!?」と勘違いしたほどだったそうです。ハロウィンの夜の渋谷の街みたいになっていたのかもしれません。

同じバーベキューでも昨日紹介したソロモンのバーベキューは「良いバーベキュー」、今回のバーベキューは「悪いバーベキュー」として、聖書に記されています。同じように神様に牛や羊を献げて、一緒に食事を楽しんでいるのに、何が違うのでしょう。

今回のバーベキューは、献げる対象をまちがっているんです。モーセが十戒の石板をとりに出かけている間、イスラエルの民は「僕たちはこのまま放っておかれてしまうんじゃないか」と不安になりました。そして「不安だから僕たちの手で拝むべき対象を作ってしまおう」と、金の子牛を作ってそれを拝むことにしました。今回のバーベキューは、その金の子牛に献げられたバーベキューでした。

このバーベキューは、かなり丁寧に行われています。全焼のいけにえの後に、交わりのいけにえ(和解のいけにえ)を献げています。二段構えの丁寧さです。しかし、対象が間違っているのでこれは「本来、神様だけが受けるべき待遇を、他の存在に与えた。しかも丁寧に。派手に」ということになります。もしかしたら、「神様にさえ惜しんでいたほどの献げものを、他の存在に与えた」とさえ言えるかもしれません。だって人々はその子牛の材料として、みんなそれぞれ自分の持っている金を供出したのですから。

神様がうけるべき待遇は、他の何者にもうけさせてはいけないんです。
神様が食べるべき最高級肉は、他の誰にも食べさせてはいけないんです。

人は不安になると祈りたくなりますし、ちゃんと祈る対象を知らないと、自分でそれを作り出してしまいます。それはとても危険なことです。今回のバーベキューをした人たちもしっかりと罰せられましたし、現代でも「神を作り出す人々」は後を絶たず、多くの不幸を生み続けています。

それではまた。
主にありて。
MAROでした。

【今日の小ネタ】
大相撲で活躍中の魁聖関は、時々「コルコバードのキリスト像」の化粧回しで土俵入りします。


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横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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