ミラノ勅令は「キリスト教公認」ではなく「信教の自由」の宣言だった

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◆270年頃2月27日 コンスタンティヌス1世の誕生日

コンスタンティヌス1世はローマ帝国でキリスト教を公認した教皇です。それまでキリスト教は皇帝によって、黙認されたり弾圧されたりしていましたが、これによってローマでの弾圧の歴史は終わりになりました。またコンスタンティヌス帝は自分もキリスト教に改宗した初めての皇帝となりました。

当時のローマのキリスト教人口は10%ほどだったと言われています。決して多数派ではありませんが、無視できない規模になっていたということです。ですから彼が純粋に信仰心をもってキリスト教に改宗したのか、何か政治的な思惑をもって改宗したのかははっきりわかっていません。それについての彼の本心を記した文献は残っていません。

彼が出したミラノ勅令は「キリスト教を公認した宣言」と思われることが多いですが、実際は国民の信教の自由を宣言したものでした。この精神のもと、彼の治世ではキリスト教以外のミトラ教などの宗教にも弾圧や差別は行われず、むしろ様々な宗教に配慮した政策がとられていたようです。

現代日本ではあたりまえのように思える「信教の自由」ですが、それは決してあたりまえのことではないんです。
それではまた明日。

横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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