シグニス・ジャパンのインターネット・セミナー「SNSと福音宣教──主が霊を授けて主の民みんなが預言者になったらいいのに」

 

シグニス・ジャパン(カトリック・メディア協議会)が主催する第24回インターネット・セミナーが9日、カトリック聖パウロ修道会・若葉修道院(東京都新宿区)で開催された。「SNSと福音宣教──主が霊を授けて主の民みんなが預言者になったらいいのに」をテーマにセミナーとワークショップが行われた。約50人が集まり、その6割が初参加だった。

シグニス(SIGNIS )は、バチカンの教皇庁広報評議会のもとで活動する世界的団体。映画やテレビ、インターネットなど、さまざまなメディアを通して福音を宣べ伝えることを目的とし、全世界140カ国に支部がある。

上坂かすがさん

前半ではまず、ウェブサイト「いつかみ聖書解説」を運営している上坂かすがさん(日本イエス・キリスト教団・荻窪栄光教会員)が登壇した。人気マンガから聖書を解説する、ライトノベル風のイラストもあしらわれた伝道的ウェブメディアだ。2017年に始められ、18年1月〜19年3月まで、累計1万ユーザー、3万PV(ページビュー)という実績を持つ。

「誤解を恐れずに言えば、日本のキリスト教伝道が目指すべきものは、『運命』を作り出すことだと思っています。キリスト教と関係のないキーワードをできるだけ検索上位表示することで、その検索から訪れた人にも、キリスト教に『運命』を感じてもらえます。

『あなたの知っているこの漫画と聖書は関係があった』というコンセプトのもと、『あなたが好きなものを私も好きなんだ。こんな共通点もあるんだよ』というスタンスで記事を書いています。

特に自分の好きなことは、神様の恵みにつながりやすい。好きなことを深め、ユーザーの共感を得られれば、結論や解決をキリスト教や聖書に持っていったり、教会に行くことを勧めたりすることができます」

ニコラオさん

続いて、ツイッターのカトリック北見教会アカウントを担当するニコラオさん(同教会員)。ツイッターを始めたのは、フォロワーが10万人に迫る上馬(かみうま)キリスト教会の影響を受けてのことだ。

「上馬では、ツイッターを見てノンクリスチャンの人が教会を訪れるようになっています。東京から遠い場合は、地元の教会に行ってみたという人もいます。ツイッターを見て教会に興味を持ってもらい、どこかの教会に足を運んでもらえばと思っています。ぜひうちの教会にも、神父様の話を聞きに来てもらいたいですね。

ツイッターを行う上でいちばん気をつけているのは、すぐにツイート(つぶやきを投稿すること)しないこと。あらかじめツイートする時間を決めたり、話の導入を入念にしたりするなど、誤解やトラブルを招くようなことは避けています」

石原良明さん

石原良明さん(カトリック葛西教会員、上智大学神学部非常勤講師)が携わっているウェブマガジン「AMOR(アモール)──陽だまり丘」は、シグニス・ジャパンの新たな発信源として2016年に創刊された。

「教会に関心のある人や、教会に行かなくなってしまった人も大勢います。そういう人が教会を思い起こすツールになればいいなと思い、始めました。さまざまな人に対応できるよう、軽い話題から、難しい神学的なことまで、幅広く載せるようにしています。

また、キリスト教についてクイズ形式で学べるゲームや、福音が分かるようにシナリオを作り込んだオリジナルのノベル・ゲームもあります。ひまな時間、スマートフォンでゲームをしている人に福音を届けるために作ってみました。

今は、どんな組織でも偉大なリーダーが不在の時代で、教会も例外ではありません。だからこそ、一般信徒が福音宣教をすることが大事です。ひとりよがりのブログではなく、チームや共同体で宣教メディアを作っていく。宣教に立ち上がる人が増えたら本当に素晴らしいことです」

後半のワークショップ。付箋に各自の「好き」を書き出し、そこからツィッターのハッシュタグになるものを探った。

後半のワークショップでは、ツイッターのハッシュタグ作りを通して、参加者がそれぞれ自分の「好き」を再発見した。

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